コンセプチュアルな魅力。「GRISE AUTHENTIC 」デビュー
今期からいよいよ展開となる新しく誕生したライン、『GRISE AUTHENTIC』。
このプロダクトに込められた想いを、デザイナーの髙塚さんにお伺いしました。
『GRISE AUTHENTIC』
LE TALONのスタートから15年。様々な経験や年月を経て湧いてきた想い。
「LE TALONは女性らしい上品な雰囲気を引き立てるシルエット、様々なライフスタイルでも着用シーンの幅広さ、Le Talon GRISEはトレンドや気分を存分にのせたデザイン、履くだけで旬なスタイリングに仕上がるスパイスが、そしてどちらにも欠かせないのはリアルに愛用できる履き心地。
これが多くのお客様に支持されている理由だと考えています。
こうして長く靴づくりに携わりながら、素材の良い革靴ならではの経年を楽しみながら履けるものを作りたいという思いもありました。
レザーの品質も色々ある中で、なかなか流通しない高品質なレザーとの出会いがあったこともスタートのきっかけです。」
GRISE AUTHENTICはLE TAON、Le Talon GRISEとは切り離された存在ではないということ。
それぞれのラインが持つ良さを、シーンに合わせて自由に選んでほしい、とデザイナーの髙塚さんは語る。
気品、独自性、機能性。デザインに込められるバランス。
「普段から”こういうものを作りたい”とストックしている資料や、たくさんの素材等から得るイメージも大切にしています。実際には素材毎の特性も考えてベストなものを絞り出します。
長く愛用できる上質なもの=シンプルでオーソドックスなデザイン とかはたくさんあるからそうはしたくなくて。
独自性を持ちながら、特別よりもリアルに履きたいという思いは叶えたい。
ビスポークの重厚感と、女性の持つ柔軟さを、コンセプトにもある直線と曲線で表現しました。」
メンズの革靴に見られるアウトソールのつま先部分に配されるトゥスチールも取り入れ、一部アイテムは26㎝まで展開。
木型のベースは日本人の足型に合わせ、インポートでは求めにくいフィット感も大切にしている。
目指したのは背景を知らずとも誰もが感じられるモノの良さ
「今回のレザーは、名立たるメゾンブランドでも使用される、トスカーナ(イタリア)とアルザス(フランス)のタンナーのものを使用しています。
例えばローファーに使用したミュージアムカーフは、白い下地から職人が染めて乾かしてを繰り返し少しずつ色を重ねているので、濃色でも、透明感のある深い色合いに仕上がります。
素材のベースが上質なので、無駄なお化粧が必要ないんです。素材本来のキメなどの美しさを感じられますね。」
”靴”という立体物になった時の、重厚感の奥底から感じられる美しい艶にも引き込まれる。
「これらの素材を使用して生産をあえて国内にしたのは、長年知り、丁寧で繊細、正確なモノづくりをしてくださる職人さんに作ってもらいたかったからです。
細かなこだわりを理解して形にしてくれるメーカーさんに依頼し、通常の量産ラインとは別で、サンプル室ですべて手作業で生産していただいています。」
ファッションを楽しむ、というのがベース。リアルとかけ離れないことを大切に
素材や作りをどんなに追求しても、消耗が避けられない”靴”というアイテムのリアルさ。
「様々な背景にこだわって作っているので、長く愛用していただきたいのはもちろんですが、シーズンによって気持ちが変わることももちろんある。
なので、ファッションを楽しみながら、自分たちも購入できる範囲で作りたかった。
素材の特性でなじむまで時間がかかるものもあるけれど、徐々に自分の足になじんでいく経過や、経年変化も魅力の一つとして愛用していただけたら嬉しいです。」