MIDORIKAWA RYO
MIDORIKAWA RYOにWISMが別注をお願いした靴が、3/12(土曜)より発売開始です。
革靴が苦手だ。
格好良いのはわかる。革のあの堅牢な質感、スニーカーには出せないあのフォルム、エイジングやケアによるあの育てていく感じ。男心がくすぐられる。
ただ、そういった魅力より先に足が痛くなるという印象が先行してしまい、どうも苦手で、最近は冠婚葬祭の時にくらいしか履いていないのが現状だ。
アイテムとして完成されている為かデザインが均一化されているような気もしている。もちろん愛好家の人に言わせると全く違うのであろうが...。その反面、他とは全く違うデザインを感じさせるものには、グッときてしまう。
MIDORIKAWA RYOの靴もまさにそうだ。
【MIDORIKAWA RYO】
浅草の靴メーカーで修業した後に、浅草にて独学で靴作りを始める。靴本来の機能である「歩行」(歩きやすさ)、「足を守る」「保護」(プロテクト)は勿論、ファッションとしても取り入れたくなるデザイン性を追求し、靴を製作している。
誰が言ったかは忘れたが、日本人は0を1にするのが苦手らしい。欧米生まれの自動車や電化製品が日本で主産業になっているように既に存在するものをアップデートするのは得意だが、全く新しいものを作り上げるのは苦手らしい。
でも、このブランドのデザイナーにこれは当てはまらない。
ブランドコンセプトにもある通り、デザインする事に注力しており明らかに独創的でファッショナブルな靴を作っているのが一目でわかる。
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一目でわかる見た事のない靴。
ブランドを代表する"HOVER"と言うモデル。"浮かぶ"の意で、僕くらいの世代だとBack to the Futureのホバーボードを連想する方が多いと思う。ぽてっとしたフォルムでまさにスケシューさながらな面構えな訳だが、単純なスニーカーではない革靴とのハイブリッドな仕上がり。
まずはやはりアッパーのデザイン。最大の特徴であるチェーン状に編み上げられたアッパーのゴムは、デザインのアクセントとしてはもちろん、力学的に配置されており、ゴムで伸縮するのでスリッポンタイプの靴の着脱を容易にしてくれる。
ただ、この靴が凄いのは見た目だけではなく、靴本来の機能である「歩行」(歩きやすさ)、「足を守る」「保護」(プロテクト)という観点もしっかりと具現化されている点だ。
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脱げるのを防止する為に甲のパーツを深く設定しており、タンの先端部分はスポンジを丸ごとくるんでいる為、肉厚なアッパーの足を優しく包むようなホールド感と合わさり長時間の歩行でもストレスなく履いて頂ける。
また、通常では靴に使用しないであろう副資材のシートベルトを袋状のオパンケ製法を応用したオリジナル製法を用いて側面に巻き付けており、靴を保護してくれる。
色々と説明させて頂いたが、履いて頂いたらこの靴と他の靴の違いをはっきりと感じ取って頂けると確信している。うちのスタッフもその履き心地に驚いていた。もちろん、僕も既にヘビーユーザーだ。
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と言う訳で、3/12(土曜)より"MIDORIKAWA RYO for WISM"の靴を発売開始致します。
今季から新しく展開を開始する同ブランドとの取り組みは、いきなり別注から始まります。WISM限定の色合い、BLACKはステアのシボ、TOBACCOのようなBROWNはカウスエードで製作して頂きました。BLACKはWISM全店、BROWNは実店舗では渋谷店のみ、ONLINE STOREでは両色展開です。
とあるシューズブランドは、ある品番を発売する時に『1000点満点中、990点』と広告で自ら謳いましたが、僕個人としてもこの靴は990点の仕上がり。高いデザイン性に極上の履き心地。
ただ、エイジングがダメージと捉われがちなスニーカーと違って、この靴は革靴の要素を含んでいます。革靴特有の経年変化の楽しみを考えると、足りない10点分は履いていくうちに加点され、1000点満点になる時もきっと訪れそうです。
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