【EDIFICE Le 24 Janvier 2022】
エディフィスがものづくりをする上で大切にしてること、届けたいことを毎週月曜日に投稿する”ÉDIFICE LETTER”。
モノの良さだけでなく、作り手の想いを込めたエピソードをお便りに載せて皆様にお届けします。
個性も見え方も実に多彩な 美色のバブアー、できました!
いきなりですが、生命の神秘ってすごいですよね。
カメレオンの色変化やナナフシの擬態なんてSFみたいな近未来感ですし、かと思えばクジャクや猛毒のあるカエルなんかは、エレクトリカルパレードもびっくりの鮮やかさだったりします。
みんな大好き、パンダに至ってはあのデザインである必要性が全然わかりません。
で、ここ日本でもはるか昔からそんな神秘を感じさせて、かつ美しさの象徴として親しまれてきた生き物がいます。
それが、タマムシという昆虫です。
構造色と呼ばれる、見る角度によって色が変わる不思議なその色彩は、未だに見るものの心を掴んで離しません。
そんな日本古来の美意識にも通じる玉虫色の生地を、今季は英国の老舗、バブアーの名作に取り入れてみました。
型は説明不要の定番のクラシックタイプ、オールドビデイルとゆったり・コートタイプのオーバーサイズバーレーのふたつ。
きっとみなさんここ数年で、長い丈のロングコートを見たり、着たりする機会が多かったことでしょうから、後者のモデルは少しだけ丈を短めにしています。
実はバブアーを玉虫色のコットン地で仕立てるというのはちょうど1年前にも行っているアプローチで、その時はありがたいことにすぐに完売御礼となりました。
今回は前回と同じオリーブグリーンの玉虫色だけではなく、コヨーテに近いベージュの玉虫色も加えた新たなラインナップ。
企画したバイヤーの大瀧がこのアイデアを得たのは、たまたま覗いた古着屋でバブアーとはまた別の英国発祥ブランドで玉虫色のコートを見かけたことがきっかけだというのはここだけのハナシです。
背抜きの裏地も特別製で、一見マドラスチェックのような配色ですが実はパターンはちゃんとタータンになっているのがポイントです。
とまぁ、こだわりと裏話を挙げればキリが無いですが、まずは何にも替えがたい、玉虫色のこのヌメっとした色気を楽しんでください。
ちなみに玉虫があんなトガった色になった理由は諸説あるようで、交尾のために有益なのだとか、捕食昆虫が見つけにくくて鳥が嫌うなんて言われていたりします。
でもこと人間においてはシックなのに絶対に目に留まるし、なんだか妙に心惹かれます。(よね?)
世間じゃ政治家センセイのあいまいな受け答えを揶揄して「玉虫色の答弁」なんて言いますが、ここではハッキリ言わせてください。
洒落者たちが二度見必至のこの別注は、間違いなく買いであると!