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Paris通信|Vol.4 「私がパリを好きな理由」~chakoさん編~

「ちゃこさん」の愛称で親しまれているフランス在住の鈴木ひろこさん。彼女の「Parisが好きな理由」とは?

  • Hiroko Suzuki   

    東京でスタイリストとして活動後、渡仏。
    現在は女性ファッション誌を中心に取材や執筆、撮影のキャスティングやオーガナイズなど幅広く手がける。 
    ライフスタイルブランド「LERET.H」(ルレ・アッシュ)のディレクターを務める。

  • 「あなたはあなたのままでいいのよ。だって、ユニーク(唯一無二)な存在でいることが、一番美しく輝かせてくれるのだから」。

  • 日本から来たばかりの頃にフランス人の友人から聞いた話しが忘れられません。
    彼女が小さな頃からずっと両親に言われ続けてきたという言葉。
    人と同じでなくていい。
    いいえ、むしろ人と違う個性を大切にして、自分だけの魅力を開花させること。
    なんと素晴らしい魔法のメッセージなのでしょう。

  • だからこの街には「ものがたりのある女性(ひと)」がたくさんいます。
    一人ひとり違う人生のストーリーを紡ぎながら、だれもが主演女優となって胸を張って生きている。
    その凛とした振る舞いに迷いはなく、自信に満ちています。
    少なくとも周りからは自信に満ちているように見えます。

  • 当たり前だけれど、もちろんパリジェンヌだってときには不安を感じたり、失敗をすることはあります。
    でも、そんな場面でも慌てず、騒がず。
    時々逆ギレしてヒステリックになることもあるけれど(笑)、
    たとえ原因が自分にあったとしても、ぜーったいに非は認めないし、とにかく堂々としている。

  • そんなとき、いつもわたしの心の声がつぶやくのです。

    「ふぅ〜、パリの女性たち、自由でいいな」。と。 

  • 以前、美容院から出てきたマダムが、艶やかにブローされた髪を道端でやり直しているのを見かけたことがあります。
    頭を2~3回激しく左右に振って、指先で空気を含ませながら、綺麗にセットされたばかりのスタイルを崩していました。
    そう、彼女たちは完璧に決まりすぎのヘアスタイルや、人と同じ服を同じような雰囲気で着こなすことを徹底的に嫌います。

  • ノンシャラン(無造作)、ラフな抜け感、
    そしてなによりオリジナリティを演出すること。

    それこそがパリジェンヌのエスプリだから。

  • パリジェンヌたちの大胆で自由な振る舞い。
    でもそれは、ただ単に勝手気ままなのではなく、自身の責任においてしっかりと腹をくくって生きている。
    自分の意見をはっきりと述べ、独立心を持っている。

    精神的に成熟したオトナの女性が多いということです。

  • テーブルに置かれた2冊の雑誌を前にオットに尋ねたことがありました。

    「もしもカフェでデートするなら、どちらの女性?」

    一冊は若くて美しいモデルが表紙のファッション誌、
    もう一冊はフランス大統領夫人で現在60オーヴァーのブリジット・マクロンさんが表紙のカルチャー誌。
    一瞬の迷いもなく、オットはマクロン夫人が表紙の雑誌を指差してきっぱり!

    「可愛いだけの女の子と話すより、知的な女性と話した方が会話に奥行きが生まれて断然に楽しいから」。

    そうなんです。若さだけでは太刀打ちできない、知性、洗練さ、エレガンス、経験、
    すべての要素が備わっているからこそ、年齢を重ねたマダムたちが魅力的なのです。

  • 流動年齢とともに、さらに女性を輝かせてくれる街、パリ。
    「わたしはわたしらしく、そのままでいいんだよ」とそっと背中を押してくれる街、パリ。

    しっかりと背筋を伸ばして歩きながらも心はゆるりと心地よく満たされて。  

  • 朝焼けの中、モンマルトルの石畳の小道を歩くとき。
    ラジオから流れるJAZZを聴きながら、夜のセーヌ沿いをTaxiで帰宅するとき。
    マルシェで季節の新鮮な食材を買うとき。
    カフェに座って、行き交う人びとを眺めるとき。
    エッフェル塔のシャンパンフラッシュを見かけたとき。


    「あー、やっぱりパリが好き」と思う瞬間は毎日たくさんあります。

  • でもなんといっても、パリの女性たちが醸し出す、シックなアチュードがあってこそ、これほどまでにこの街が世界中の人たちを魅了するのだと思います。 

  • わたしがパリを好きな理由。

    それは、

    なぜならパリにはパリジェンヌがいるから。