【ÉDIFICE Le 22 Novembre 2021】
《毎週月曜日更新!!》
エディフィスがものづくりをする上で大切にしてること、届けたいことを毎週月曜日に投稿する”ÉDIFICE LETTER”。
モノの良さだけでなく、作り手の想いを込めたエピソードをお便りに載せて皆様にお届けします。
野暮ったさ控えめでモダン顔 冬のニットライフに幸アランことを
ざっくりウールに、表情豊かな編み柄の数々。
今年もアランニットが映える季節がやってきました。
周知の通り、このニットのルーツはただのおしゃれ着ではなく、はるか昔から英国の海の男たちが漁での寒風や海水から身を守るために着続けてきた、歴としたワークウェア。
その多彩な柄も、豊かな収穫や長寿を象徴するもの、漁の道具を模したものなど、ひとつひとつに意味があります。
留守を守る女性たちが編む際にはその選択や組み合わせで個性が出て、不幸にも遭難してしまい、漂着した猟師たちの身元がそのニットからわかることもあったというのはなんともシリアスな話です。
話は戻って、インバーアランはそんな伝統的なアラン諸島のニットを現代に継承している言わずと知れた名門です。
かつて島の女性たちがそうしたように、エディフィスでも独自の柄でオーダーし、この老舗にニットを制作してもらいました。
柄だけでなく、色合いにもこだわったこれらのアイテム。
一見ソリッドカラーに見えますが、実はすべてに2色の杢糸を使用していて、ワントーンのようで奥行きのある色味に仕上げています。
形もクラシックなルーズさではなく、肩位置を外側に設定し、身幅には自然なゆとりを持たせた現代的なものにアップデート。
それでいて、これぞアランニットといったオーセンティックなイメージはしっかりと残しています。
パッと見、懐かしいのに袖を通すと何だか妙に新鮮に感じられて、その時のたたずまいは格別に今っぽくなっているはず。
おまけに、今回は昔ながらの手編みではなくマシンメイドを採用していて、そのおかげでかなりリーズナブルにできました。
「この冬、何着りゃいいんだろ?」もし、おしゃれの迷子になりそうだったら、迷わずこれをオススメします。
このニットならきっと道を示して、私たちを遭難から守ってくれるから。