【ÉDIFICE Le 25 Octobre 2021】
《毎週月曜日更新!!》
エディフィスがものづくりをする上で大切にしてること、届けたいことを毎週月曜日に投稿する”ÉDIFICE LETTER”。
モノの良さだけでなく、作り手の想いを込めたエピソードをお便りに載せて皆様にお届けします。
今季渾身のミリタリーアウターは 元ネタもアプローチも一味違います!
今回は(今回も?)普段はあんまり表に出ない、“中の人”の個人的なお話を。
エディフィス企画の山本は、普段はいいヤツなんですが、ちょっと偏屈なところがあるんです。
オシャレにハマった若い頃も、周りが王道のM-65やらベイカーパンツやらを嬉々として着ている中で、当の本人が手を出すのはベルギー軍のカーゴパンツ。
何でもそれは専門学校時代のことで、中野ブロードウェイにあったユーロサープラスを扱うお店で買ったんだとか。
顔を知らない皆さんからも、こじらせた服好きが中野の隅っこでマイナーな軍モノをひたすら漁る、ジメッとした光景が目に浮かぶはず。
みんなが知らないものが好き。
まぁ、その気持ちはよくわかります。
「若気の至りですね。多分課題制作とかで、必要だったんじゃないかな?」と山本。
お、この期に及んでちょっと言い訳めいたことを言い始めたぞ。
でもそんな彼もすっかりいい大人になって、今では定番の名品ももちろん大好き。
照れくさそうに昔を振り返るこの日も、着てきているシャツは再燃しているというオリーブドラブの軍モノで、正統派の米軍です!
でも、彼のへそ曲がりは健在でした。彼が今季手がけたアウターを見れば、それは明らかでしょう。
・21020300105540 120'S BLD SHAWL COAT ¥36,000+tax
・21011300105340 120'S BLD LINER BLOUSON ¥26,000+tax
※ベイクルーズストアは今週販売開始となります。
スタイルは、ショートとロングのふたつ。
「ミリタリーです」と彼は言うが、あんまり見覚えのない形。
聞けば、ショートは某ユーロミリタリーが元ネタでショールカラーのロングはフランス軍のガウンをイメージしたものらしい。
そうです。山本のこじらせは、むしろ加速していたのです!
何なら色味もベージュの単色。
何ですか、この女子ウケしそうな色合いは。
野暮ったくて土クサい昔ながらのミリタリーとはすっかり真逆、分厚いスーパー120sのウール地を使っているのがその理由なのだとか。
そんな高級生地、コートくらいでしか聞いたことありませんよ。
しかもよく見たら、ライナーが着想源なのに、ボタンのひとつも見当たらない。
・21020300105540 120'S BLD SHAWL COAT ¥36,000+tax
・21011300105340 120'S BLD LINER BLOUSON ¥26,000+tax
※ベイクルーズストアは今週販売開始となります。
「あ、そうなんですよ。無くしちゃいました(笑)。
羽織り専用で提案したかったから、いっそ要らないかなって」。
ひねくれもここまで来るといっそ清々しいです。
それに、ただ奇をてらっているわけじゃなく、理に適ったアップデートだし、悔しいけど見栄えは確かにフレッシュなんです。
「これがやってみたくて最初にサンプルを出した時は、本当にウィメンズみたいになっちゃって。なかなか完成には時間が掛かりましたね。アハハ」。
確かに、一歩間違えれば女性的になりそうな毛抜き合わせのボタンレス。
それでもしっかりメンズ然としているのは、やっぱりこの人が軍モノに長年親しんできた経験値があればこそ。
王道ではないかもしれないけれど、定番にはない心地よさと洒落っ気を備えた、ミリタリーライナー由来の上質アウター。
ちょっと興味が湧きませんか?しょうがないでしょう。
どんな偏屈な人も、好奇心には素直なんだから。