【ÉDIFICE Le 6 Septembre 2021】
《毎週月曜日更新!!》
エディフィスがものづくりをする上で大切にしてること、届けたいことを毎週月曜日に投稿する”ÉDIFICE LETTER”。
モノの良さだけでなく、作り手の想いを込めたエピソードをお便りに載せて皆様にお届けします。
BROOKS BROTHERS×ÉDIFICE
アメトラの名門の隠れ名品が モダンデザインで再登場!
1年くらい前の冬、バイヤー大瀧北斗はある衝動に駆られていました。
「スタジャンが着たい……」。
そう、この男、何を隠そう根っからのスタジャン好き。
今でこそモードなデザイナーズブランドやこぎれいな自社企画のものを身に付ける機会が増えましたが、かつては裏原ブームの洗礼をモロに受けたクチでステューシーの“ワールドツアー”のものに袖を通したのがスタジャンの原体験。
その後も、今また再注目されるグッドイナフやわかる人にはわかるエンパイア、他にも老舗のものまで、とにかく気になったスタジャンには手を出していて、その遍歴たるや、デイゲームのレフトスタンドでデカいコーラを抱えてるMLBファンのおじさんもびっくりしそうな傾倒ぶりでした。
だけど、30代も半ばになった大瀧は考えました。
「ジャケットみたいに大人っぽく着られるものがあったらなぁ」、と。
そこで白羽の矢が立ったのがアメリカントラッドの代名詞、みんな大好き、ブルックスブラザーズです。
2世紀以上もの歴史を持つだけに、隠れた名作アーカイブが山のようにあるこのブランド、実はかつてバーシティジャケットも展開していたんです。しかも、米国の大学に正規に納入していた本物のアイビーリーガー御用達というお墨付きで。
そこで大瀧が得意の「ダメっすかね……?」のオファーをしてみると、
懐の深いブルックスさんはなんと別注を快諾!
気を良くした大瀧は、英国の名門ファブリックメーカー、アブラハムムーン社の上質ウールを使うという贅沢仕様でリクエスト。
オールブラックに見えそうですが、実はシボがきれいな上質レザーの袖は黒で、ムーンのメルトンボディは深いネイビーという繊細な2トーン。
一番のこだわりは裾にリブの入らない、いわゆるファラオジャケットのスタイルを採用したこと。
普通はルードボーイの王道たる選択肢ですが今回はもちろん、「ジャケットのように着るため」のチョイスです。
裏地はスベスベ・袖通り最高のキュプラを使ったキルティングで全体に同色の黒でゴールデンフリースが織られているのがポイントです。
形は少しゆったりめ。でも、過剰なビッグシルエットではないのでサイジングをしっかり見極めれば10年後だって着られることでしょう。
かつてのフレンチアイビーみたいにタッターソールのB.D.シャツにピケパンなんかと合わせてもレトロモダンでいいカンジ。
余談ですが、ブルックスブラザーズのイニシャルをワッペンで入れるかどうか、大瀧は最後まで迷ったのだそう。
シックさを保つために彼は唇を噛んで我慢したようですが、袖を通す皆さんはお好みで、ガンガンカスタムしてもいいと思います。
いちバイヤーの超個人的な想いから生まれた1着。
でも、完成形はドレス派もカジュアル派も、みんなが楽しめるものになっているはず。
とにかく完成度に自信アリです。ぜひ、お試しを。