洗濯船
こんにちはL'ECHOPPE青山店 中村です
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迷迭香
少し前の事だが2018年 Hedi Slimane による Celine のデビューコレクション。
Dior Hommeでのデビューから Yves Saint Laurent をロックスタイルで再解釈するなど様々なクリエーションで魅了し続けてきた彼の再デビューは記憶に新しいと思う。
一時代を築いた Phoebe Phlio 的なスタイルは終わりを迎え Hedi Slimane の表現する1970年代のサンジェルマンスタイルがシーンに台頭してきてから1980年代のフレンチアイビーのリバイバルが脚光を浴び始めパリのファッションがストリート、クラシック問わずもてはやされてきた。HERMESやARNYS等のoldメゾンがシーンの中心になり、多くのブランドがARNYS Forestierをリファレンスソースとして使用しFRENCH vintageの異常なまでの高騰っぷりは少なからず影響している事だろう。
僕の敬愛するデザイナーTさんとたまたまお会いしていた時の事だ。
僕 「Tさん。エディのコレクション素敵でしたねぇ。Tさんはあのスタイルってどう思います?? Tさんの当時のサンジェルマンスタイルの思い出ってありますか??」
Tさん 「...中村さん。フランスって行ったことある??」
僕 「?? ・・・はい。ありますよ??」
Tさん 「サンジェルマンスタイルを君が語る前にフランスについて多くの事を知らないとだめだよ。最後にフランスに行ったのはいつ??旅行??」
僕 「...はい。最後に行ったのは旅行で観光で行ってました。」
Tさん 「シャンゼリゼ通りは行った?? セーヌ川は?? ルーヴル美術館?? ボン マルシェ百貨店?? モンサンミッシェル?? ...etc」
僕 「えぇ...諸々行ったことはありますけど...」
何でそんな掘り下げるんだ??観光の話なのかな??
Tさん 「どう思った??」
僕 「...どう思った!?」
Tさん 「風景や歴史上の建造物を見て、歩いてどう感じた??」
僕 「...いやぁ...綺麗だなと。」
Tさん 「...中村さん。それじゃだめだよ。君もこの業界長いんだからそれじゃだめだよ。せっかっくフランスに仕事じゃなく旅行で行くんだから毎回違う側面で物を見ないと!!」
僕 「どういう事ですか??」
Tさん 「君は少なからず人にファッションンを伝える仕事をしている。それならばきちんと歴史を理解した上で洋服を語らなければいけない。それが君の義務だから。」
僕 「...」
Tさん 「セーヌ川に行ったのであればそこを隔てて異なる文化を持っているとよく言われているのは分るよね? “右岸のHERMES、左岸のARNYS” と称されるように官能的な文化の右岸に比べてアカデミックな文化の左岸。では何故HERMESの文化は残りARNYSは滅んだのか(滅んではいないのだが)。セーヌ川のほとりでピカソは何を考え思いを馳せていたのか。何故 HEMISPHERES は生まれたのか。君はきちんと考えないといけないよ。少なくともL'ECHOPPEで関わり合いのあるデザイナーさん達は考えながらパリを歩いているよ。 」
SNSに限らずオンラインで表面的なブランド概要やデザインディティールはあらゆる視点から誰でも簡単に見ることが出来る様になり画面上でどれだけ映える画像や作品を届ける、時には見せないことが目的となる時代になっている。
ただ、あくまで僕らは店頭でお客様と会話をして洋服の良さを伝える仕事をしている。それは表面的な事ではなくデザイナーの思いや表現、時には自分の経験を洋服に添え伝えるのだ。
情報は交錯して誤った情報まで不必要なほどありふれているが自身の経験やストーリーだけは実在していて伝える事が出来るのだ。これだけは未だ現実世界の僕らが勝っているところだろう。
何故このブランドなのか。
何故このデザインなのか。
何故この素材なのか。
何故 L'ECHOPPE で取扱いがあるのか。
今期の L'ECHOPPE はショーツが豊富なのだ。
L'ECHOPPE 青山店 中村
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