1. HOME
  2. ブログ
  3. 1-1  と 10-10

1-1  と 10-10

こんにちはL'ECHOPPE青山店 中村です

  • 僕らは洋服の話が好きだ。

    勿論誰でも好きなんだろうけども僕らL'ECHOPPEスタッフは何気なくスタートした関係ない話のゴール地点が洋服になることが少なくない。

    四六時中一緒の空間にいて育ってきた環境や年代も違うのに良くもまぁこんなに飽きもせずみんな毎日話せるものだとみんなの引き出しの広さに関心するのである

    L'ECHOPPEの母体でもあるBAYCREWS。このカンパニーには多くのブランドが存在している。その中でL'ECHOPPEでも出身者の多いEDIFICEとは??という話からこの洋服談義は始まった。

    EDIFICE出身のスタッフMはこう述べていた。

    M 「そもそものEDIFICEの根底にある考え方ではコーディネートの中で足し算引き算を行い"0"にしていく。それがEDIFICEとしての一つのスタイルでもある。」

    それからその日は洋服の"足し算" “引き算” の洋服談義が始まる


    僕 「2014年くらいからノームコアのスタイルが台頭してきてから引き算の美学っていう物がメインになってきて華美なスタイル、キメすぎなスタイルっていうのは一見してNGになっている風潮になっているじゃないですか」


    Y 「確かに昔に比べて華美な装い、逆に足し算でのおしゃれっていうのが減ってきていますね。そぎ落とすっていう考え方=引き算っていう考え方になっているのかコレクションは別としてもシーン自体スタイルは多様化しつつもプレーンなスタイルが増えてきている印象ですよね」

  • 最近のスタイルから過去の話をひとしきりした後にスタッフYが面白い考えで纏めてくれた。

    Y 「足し算、引き算を“0”にするということは“ふり幅”の問題だと思うんですよ」

    僕 「ほほう」

    Y 「“1” を“-1”にして“0”にするのではなく“10”を“-10”にして“0”にするコーディネートは考え方が同じでも表現が全然違いますよね」

    Y 「ドレス畑出身の僕は元々華美な装いや突拍子な合わせはしないので綺麗なアイテムの掛け合わせの“1”を限りなく“0”に近づける為に“-1”をしようとするんですけどスタッフIなんかはヴィンテージ好きで育っているからもともと狙って“10”を着ているんですよ。そこを“0”にする為に“-10”を合わせる。これはコーディネートを成立させる為に存在感のある“10”を大幅に引き算する必要があるんです。目指す“0”は一緒で考え方は一緒でも表現方法がまるっきり変わってくると思うんです。」

  • 例えば先日発売された“THE GENTLEMAN IN THE PARLOUR”製作過程を撮影したYOUTUBEで上がったThe DUFFER of St.GEORGE”の着こなし例の話。

    The DUFFER of St.GEORGEは1984年に英国から発信されるアメリカンヴィンテージとアンティークを扱っていたウェアブランド。

    YOUTUBEで述べられていたPrince Edward を思わせるテーラードJKTにアメリカ的なスウェット+ウォッシュデニムのコーディネート。これはお堅い印象のある英国調の(実際の仕様は現代にに合わせ幾分軽いのだがそれは置いておいて)JKTに軽めなスポーティな要素のアイテムを取り入れることで一層都会的な印象になる。

  • 他にはファッションアイコンの代表格でもあるSerge Gainsbourg。Maurice Renomaのジャケットを羽織り大きく胸の空いたシャンブレーにフレアデニム、足元にバレーシューズは誰もが目にしたことがあるだろう。

    どちらもお国柄や表現は違えど足し算、引き算に代表されるスタイルである。

  • W 「でも“引き算”ってTVのファッションチェックの様な洋服の掛け合わせだけの単純なものじゃなくてもっと複雑なものじゃないですか??例えば引き算の過程として年齢を重ねることが自然と“引き算”になることがあるしmade in usa のものではなくmade in franceのストーリー性のあるものが引き算になることもあるじゃないですか。」

    若々しい印象がそのまま"足し算"になることもあれば年齢を重ねた渋さが“引き算”になりデコラティブなファッション的要素を中和してくれることもある。また、アメリカ製の質実剛健な武骨な印象ではなくフランス製のアイテムを取り入れることで見た目は殆ど一緒でも小粋な印象を与えてくれることもある。


    ここではスタイル、コーディネートだけではなく本人のキャラや年齢、培ってきた知識や本人の表現したい哲学的な要素が存在してくるのだ。

  • L'ECHOPPE

    【SCYE BASICS/サイ ベーシックス】別注 POLO SH

    ¥16,500

  • L'ECHOPPE

    【SCYE BASICS/サイ ベーシックス】別注 POLO SH

    ¥16,500

  • SCYE  BASICS × L'ECHOPPE EX POLO SH
    80s フレンチポロをベースにしたデザインで、丸みある裾リブが特徴的。

    CHEMISE 〇ACOSTE に見られる"文字ワニ"ではなく"文字サイ"??が小粋な印象を与え同社のアメリカ製によく見られるフロント釦に4つ穴を採用したことでクラシカルを踏襲しつつオマージュだけではないブランドの哲学も感じさせてくれている。

    このバランス感もまた"足し算"と"引き算"の要素が成立しているのだ。



    つまるところ"足し算"と"引き算"とはアイテム一つ一つのストーリーへの研鑽とそれを理解した上での本人のキャラ、そしてどう装いたいかである。

    あくまで"足し算"と"引き算"により"0"に近づけることはコーディネートの一つの指標であって答えではない。"足し算"と"引き算"の末の答えが“0”なのか“1”なのか、はたまた“2”なのかは本人の意思次第である。

    「結局“0”にするのか“1”にするのかファッションを考えながら着ている人って総じて楽しそうだよね!!」

    というのがスタッフ間で毎日繰り返されるスピークイージーさながらL'ECHOPPE洋服密談の答えのない答えで纏められてその日は幕をとじた。

    どちらの要素も持つこのポロSHは "1" なのか "-1" なのか...






    L'ECHOPPE 青山店 中村
    L'ECHOPPE 青山店東京都港区南青山3-17-3 1F
    TEL: 03-5413-4714


    L'ECHOPPE 渋谷店
    東京都渋谷区神宮前6丁目20番10号  MIYASHITA PARK SOUTH 2F
    TEL: 03-6712-5770


    instagram: @lechoppe.jp