《Special Interview》WH × EDIFICE
今シーズンより新たにお取り扱いがスタートしたWH(ダブルエイチ)。
ディレクションを務める干場義雅氏、坪内浩氏を迎えブランドの美学や思いについて伺いました。
― 本日はよろしくお願いします。
改めて、WHを始めることになったきっかけを教えて頂けますでしょうか。
干場氏:僕が雑誌編集していた頃、とある高級紳士靴の別注企画を行った時に坪内さんがそのブランドを手掛けてらっしゃって、そこが初めてのセッションでした。
企画の打ち上げの際に僕が考えていた新たなアイデア、プロジェクトに坪内さんをお誘いし、そのままとんとん拍子に今に至るという流れですね。
坪内氏:本当にスムーズだったね。
ー お二人のフィーリングはその頃からすでに合致していたんですね。
干場さんが当初考えられていた"アイデア"というのは今のWHにも活かされているんでしょうか。
干場氏:「もちろんです。僕はかねてから世界のファッションウィークに参加していると日本人の体型に対するハンデを感じていて、どうにかそういったハンデキャップを払拭できるようなものを作りたいと考えていました。 また、イギリス、イタリア、フランス等の所謂世界的な革靴を文字通りすべて履き倒してきて、それらを経験した上で、お国柄に縛られないどこにもない物を作りたかった。そういった考えの基生まれたのがWHなんです。
実際今回の別注もアッパー、ソール、木型、縫製等そのパーツ毎に最上の産地を選んでいますが、お国柄に縛られることなく、ニュートラルな雰囲気になっているのがスタイルを選ばず履ける理由だと思います。」
坪内氏:「根底にあるのはクラシック、でもすごく履きやすくて、今の時代に即したバランスになっているよね。WHを立ち上げた7年前はこういったラバーソールを使ったものは多くなく、厳しい声も頂いたが今や世界的にクラシックレザーシューズブランドもこぞってこの手のバランスになっている。やっと時代が追いついたなという印象です。」
― 深いルーツに至るまでお答えいただきありがとうございます。
続いては、今回のEDIFICE別注モデルを履いて頂いた印象をお伺い出来ますでしょうか。
坪内氏:「形は定番の2モデルですが、革を変えるだけでこんなに違うんだなとちょっと驚いています。改めて素材って大事ですね。」
干場氏:「今回のレザーはアノネイ社のラスティーカーフですか?想像以上に履きやすいですね。
形は共に思い入れのあるモデル、特にプレーントゥはWHを立ち上げた時に最初に作った形なのでとても愛着があります。」
ー WHと言えばなモデルですよね。
干場氏:「そうですね。ただ、実は定番のモデルも常にブラッシュアップしていて、プレーントゥだけでも3種類存在しているんです。
ある世界最高峰の高級車ブランドには"最新のモデルが最高"というモノづくりに対する考え方を持っているんですが、WHに関してもそんな心根で常に微調整やアップデートを続けています。」
― 最後に、今後の展望お聞かせいただけますでしょうか。
干場氏:「もちろん常にアップデートや新しいものを作っていこうという話はしています。
昨今のコロナ禍において、求められるものやスタイルが目まぐるしく変わっていて、スーツだから革靴、革靴だからグッドイヤー製法、みたいな考え方では通用しない世の中です。
今の時代に即していることはマストで必要ですが、時代に迎合しすぎても消費されて消えていく、そのどちらでもないちょうど間を捉えて、これからも自分たちが履きたいと思えるものを作っていきたいです。」
― 改めてお二人の物づくりに対する思いや拘りを知る機会になりました。
本日はありがとうございました。
干場氏 坪内氏:「ありがとうございました。」