謎多き『EMIT』Tee、デザイナー森岡さんにお話を伺いました。
謎多き『EMIT』Tee、デザイナーの森岡さんにお話を伺いました。
現在入荷中で、店頭でもひときわ目を引くプリントTシャツ『EMIT』。
前面に大きく施されたグラフィックは、どこか見たことがあるような既視感がありながらも新鮮さを兼ね備えた不思議な魅力を放ちます。
そんな『EMIT』のデザイナーである、TAGS WKGPTY PRODUCTIONS主宰、森岡さんに『EMIT』Teeについてお話を伺いました。
【EMIT/エミット】
〔光やエネルギーなどを〕放つ、放射する 〔声や音を〕出す、 発するなどの意味を持ち、デザインからメッセージを発することをコンセプトにアイテム作りを行う。
森岡 喜昭 (Yoshiaki Morioka)
グラフィックデザイナー, TAGS WKGPTY PRODUCTIONS、TAGS™️主宰
1985年東京生まれ。文化服装学院卒業後、M&M CUSTOM PERFORMANCEのアパレルデザイン企画に所属。
2005年に【TAGS WKGPTY PRODUCTIONS/タグス ワーキングパーティー プロダクションズ】を立ち上げ、翌年からアイテムを少しずつリリース。2018年にグラフィックデザイナーとして【森岡デザイン事務所】を開業。
ファッション、飲食店や美容院などジャンル問わずロゴやプロダクトを手掛ける。
HP:www.tagswkgpty.com
Instagram:@tagswkgptyproductions
ーよろしくお願いします。
森岡 よろしくお願いします。
ー早速ですが、『EMIT』Teeはアメリカの某雑誌をサンプリングしていますよね。このデザインはどういう経緯で作られたのでしょうか?
森岡 実はこの『EMIT』のデザインはかなり前に作ったもので、眠らせていたデザインなんです。もともとはハードコアのカタログに似たようなものが載っていて、そこから作りました。
ただ、個人的には”雑誌からオマージュした”というよりは『EMIT』という一つのデザインとして楽しんでもらいたいです。
ブランク(無地)を含めた3型の展開で、プリント2型にはそれぞれ歴史上の人物を彷彿させるようなグラフィックが大胆に施されている。
ーこちらのプリントにはどういう意味が込められているんでしょうか?
森岡 自分が影響を受けたミュージシャンだったり、アーティストだったりを彷彿させるようなグラフィックを意識しました。
僕自身若い時に古着屋でチェゲバラのTシャツを見て彼について調べたという経験があって、自分より若い子たちにもそういう楽しみ方をしてもらいたかったんです。コロナ渦において、先人たちが残したメッセージはやはり勉強になるし、今の若い世代の子達にも伝えていきたいなと。
ー普段relumeを買っていただいている30代後半〜の方々にも響きそうですね。
森岡 そうですね。もしかしたら店頭で働いている若いスタッフの子よりもそういう人物には詳しいかもしれないですね、、
でもこのTシャツをキッカケに、店頭でコミュニケーションが生まれたりしたらすごく素敵だなと思います。それがスタッフとお客さんの間でもいいし、スタッフ同士、お客さん同士とかでも良いと思いますし。
ー先ほどハードコアのカタログからデザインを作ったと仰っていましたが、森岡さんは普段のインプットはどういった形で行なっているんでしょうか?
森岡 子供ができてからは映画を見たり本を読む機会は減ったのですが、なるべく現場に足を運ぶよう意識はしています。なるべく自分の足で街を歩いて面白いものがないか探すようにしていますね。
ーお子さんができたことでデザインに影響はありましたか?
森岡 ありましたね。前にロゴを作っている時に子供がそのシートをパンと弾いて見え方が変わって、それが結局採用されたりとか。あとは子供が好きな絵本って大概決まっていて、そういうキャラクターの大きさやデザインは参考にしています。
あとは妻からも意見をもらっています。美大を出てお花屋さんをやっているので、主に色味を見てもらっています。
まず初めに妻に見せてこの色味はこっちの方が良い、だったりと意見を”いただいて”(笑)それもあって最近は自分がデザインした洋服を女性にもきてもらえる機会が増えました。
ー様々なところから情報や意見を吸い上げてデザインを作っているんですね。
森岡 自分の中でどこか「期待を裏切りたい」という思いがあって。色々なところからインスピレーションを受けて、バリエーション豊富にデザインを作るようにしています。「森岡と言えばこれ」みたいなカテゴライズは無しに「これも森岡がやったんだ」という風に気軽に楽しんでもらえればと思っています。
ー最後に『EMIT』Teeについて、お客様へメッセージをお願いします。
森岡 僕自身遊びの延長でデザインをしているというのもあるので、『EMIT』シリーズも気軽に楽しんでもらいたいです。
古着屋でTシャツを選ぶ時のような「あ、これいいじゃん」という感覚で手に取ってもらいたい。
そして、いつか古着屋のTシャツコーナーに出回っていたりしたら面白いなと思います(笑)