デザイナーが紹介する、ラタン家具の魅力。
こんにちは。
ACME Furniture デザイナーの樋口です。
本日は新商品のBALBOA LOUNGE CHAIR(バルボアラウンジチェア)をご紹介させていただきます。
【開発ストーリー】
2018年6月、ロサンゼルスへ買い付けに行った時のこと。
いつもの買付け先を回っていた時に発見したヴィンテージのラウンジチェア。
メーカーは不明だが1970〜80年代に生産されたであろうこの椅子は、サイズが小ぶりで可愛らしい雰囲気を醸し出していました。
仕入値が高いので、日本でメンテナンスをして、クッションを作り替えて、等と色々なコストを加えると販売価格が高くなってしまう。
それと、実際に座ってみると座り心地があまり良くない。雰囲気は良いのだけれども。。
デザインを修正して価格を抑えた形で顧客様に紹介できるようにしたい。
そんな想いで日本に持ち帰ってから約1年。
このラウンジチェアを元に現代の用途にアレンジして製品化する事になりました。
【ラタン素材について】
ラタンは日本名で「籐」と呼びます。
ヤシ科の植物で竹でもフジツルの仲間でもありません。
インドネシアや中南米などの熱帯から亜熱帯地域のジャングル自生する生命力の強い植物です。
ラタンは樹木と比べて成長サイクルが早く、樹木が50年〜70年と比べて、5年〜10年ほどで成長します。また、加工はほとんどが手作業になる為、環境循環に影響のある物質の排出がない、材料から生産に至るまでエコな製品です。
【製品特徴】
①軽くて丈夫
一見弱そうに見えますが、弾力性がありとても丈夫です。
お手入れをこまめにして頂ければ、何世代に渡ってご使用いただく事が出来ます。
②自然素材
籐は絶えず呼吸をしており、内部には無数の導管が詰まった構造になっています。
高温多湿の夏には水分を吸収して湿度を下げ、乾燥する冬には内部の水分を放出して湿度を上げてくれる天然の調湿器とも言えます。
③ハンドメイド
生産工程は全て手作業で行われます。
家具職人の手で「曲げる・組む・巻く・編む」といった人類古来の手法です。
作り上げる家具からは手のぬくもりが伝わってきます。
何年たってもあきることのない天然素材のあじわいです。
寒い地域でも籐家具の需要が高いのは天然素材のぬくもりを求めているからだと言われています。
【経年変化について】
ラタンは長年ご使用頂くと日焼けした部分は黄色く変化していき、肌が触れる場所はこげ茶色に変化していきます。
また、普段は接合部分にピール(籐皮)を巻きますが、バルボアシリーズでは牛革を巻いています。革も天然素材です。
経年変化により飴色に変化していくと共に、経年変化したラタンと革の雰囲気が購入当初以上に味わい深くなるとと考え、採用しました。
【コーディネート提案】
バルボアシリーズは、決してお部屋をラタンの家具で統一して使ってもらいたい訳ではありません。
ACMEの既存のシリーズの中に1つでもラタンの家具が入ると、また違った、少し柔らかい雰囲気を作ることが出来ると言うことをお伝えしたいと考えています。
また、ラウンジチェアはお部屋の中でソファーがメインとなる中、その対面、あるいはL型に置く事が多いと思います。
そうするとテレビとの位置関係はソファーの位置よりも悪くなる事がほとんどなのではないかな?と思います。
そんな時でもこのラウンジチェアは軽量なので、気軽におき場所を変えることができる。
晴れた清々しい日はテラスに運んで日光浴なんかも。
気軽に持ち運べるということは実はとても便利な機能なのです。
【座り心地】
長時間座っても疲れないように程よい硬さのシートクッションとし、極力プロポーションを崩さないように背中は上の方までサポートする高さにしています。
よりリラックスできるよう、普段より座面、背中の角度をつけていることで椅子に包まれるような感覚になります。
また、程よいアームの高さが、スマホをいじるのにちょうど良いです。
是非このBalboa Lounge Chair をお部屋の仲間入りにして
みてはいかがでしょうか。