【40周年企画】Audrey Demarreに聞く、ものづくりへの想い
Spick & Spanは、皆さまに支えられながら40周年を迎えます。
この記念すべき節目のテーマは、「 & 」。
ヒトとヒト、コトとコト、モノとモノを繋ぎ、過去から未来へ、
Spick & Spanが歩んできた40年と、これから生まれていく新しい価値を結んでいきます。
大切に受け継いできた想いを未来へ繋ぎながら、新たな一歩を歩んでいく40周年。
さまざまな周年企画をぜひお楽しみください。
今回、Audrey Demarreさんに、この特別な機会に寄せる想いを伺いました。
これまでの歩みや大切にしてきたこと、そして今回に込めた特別な想いについて。
Audreyさんご自身の言葉を通して、その背景にあるストーリーとともにお届けします。
Q1. 自己紹介をお願いします。
Audrey Demarreです。
以前はパリで編集者として、
主にイラストレーションを用いた書籍の制作に携わっていました。
約7年前、まったく新しい道へ進むことを決意し、独学で刺繍を学び、
刺繍作家・テキスタイルアーティストとして活動を始めました。
刺繍を専門的に学んだ経験はありません。
刺繍との出会いは、ある意味、偶然のようなものでした。
それが少しずつ、私自身を表現し、物語を紡ぎ、
そして自分を取り巻く世界とつながるための大切な手段になっていきました。
Q2. 出版業界から刺繍の世界へ転身されていますが、
人生の転機となった具体的な出来事はありましたか?
編集者として働くかたわら、絵を描くことも始めていました。
そんなある日、フランス人モデルの
イネス・ド・ラ・フレサンジュについての記事を担当することになったんです。
なぜかは自分でもよくわからないのですが、そのとき突然、
彼女のシルエットが「白い紙の上に描かれた一本の黒い糸」のように見えました。
そこで、実際に紙に直接刺繍をしてみることにしました。
それがとても気に入って以来、私は一度も針を置いていません。
Q3. 作品を制作するうえで、最も大切にしていることは何ですか?
私にとって、「記憶」と「受け継ぐこと」はとても大切です。
祖母たちや曾祖母はみな布を扱うことに長けていましたが、
私は彼女たちから直接、
裁縫や刺繍を教わったわけではありません。
それでも、私たちの間には目には見えない一本の糸があり、
何かが受け継がれているように感じます。
世代を超えたつながりや、ものや布、
手仕事の中に記憶が宿り続けること。
私は、そうしたものに惹かれています。
Q4. 古い生地やヴィンテージ素材を使用する理由と、
その魅力について教えてください。
古い生地を使うのが好きな理由は、大きく二つあります。
一つは、その「質」。ヴィンテージの生地には、今ではなかなか再現できない豊かな風合いや美しさがあります。
もう一つは、すでに歴史を持つ布に、新たな物語を重ねられること。
誰かが始めた物語の続きを紡ぐように、刺繍を施すことで、その布の人生に新しい一章を加えているように感じます。
Q5. 40周年のテーマは「&」です。Audreyさんにとって「つなぐ」とは?
私にとって刺繍は、「つながる」ための表現です。
自分の内側にある思いとつながり、それを目に見えるかたちにする。
そして言葉を使わなくても、言語や文化、世代を超えて、人と人をつなぐことができます。
針で縫うという行為そのものも「つなぐ」こと。
一つの点から次の点へ。
一枚の布から、もう一枚の布へ。
そして、過去から現在へ。
Q6. 今回のコラボレーションアイテムには、
どのような想いを込めましたか?
ブランドが誕生した1980年代と、
私にとって究極のエレガンスを象徴する1920〜30年代から着想を得ました。
パッチワークやキルトのように、
異なる生地や時代、背景を組み合わせることが好きです。
今回の刺繍にも、時間、記憶、物語のレイヤーを重ね、
着の服に奥行きと意味を加えたいと思いました。
Q7. 最後に、日本の皆さま、
そしてSpick & Spanのお客様へメッセージをお願いします。
日本が大好きな私にとって、Spick & Spanの40周年に参加し、
私の刺繍がブランドの物語の一部になれることを、とてもうれしく思っています。
私はまだ日本を訪れたことがありませんが、いつか訪れることが夢です。
「See you soon! —— また近いうちに!」
今回のコラボレーションが、
これからも続いていく新しい「つながり」の始まりになればと願っています。
▶︎Audrey Demarre × Spick & Span item line up
Audrey Demarre(オードリー・デマール)
Instagram:https://www.instagram.com/audreydemarre/