BE A LADY この秋纏いたいのは、さりげないエレガンス。 今宿麻美(モデル)&百々千晴(スタイリスト)BE A LADY この秋纏いたいのは、さりげないエレガンス。 今宿麻美(モデル)&百々千晴(スタイリスト)

カジュアルアイテムの
格上げテクニック。

モデルの今宿麻美さんとスタイリストの百々千晴さんという旧知の仲のお二人をお迎えするvol.2のテーマは、カジュアルなアイテムを上品に着こなすコツ。彼女たちの軽快なトークと合わせて、アウター、ニット、ワンピース、パンツ、シューズという5つの主役を格上げしたコーディネートをお届けします。

ー おふたりはどのくらいのお付き合いなんですか?

百々: 長いです。

今宿: 私が20代の時くらいから。

百々: 宝島のムック本でコンスタントに撮影があったりとか。私が10代の頃は今宿さんはみんなのアイドルだったんで。トークイベントを見に行ったこともあるから。

『 そんな今宿さんに
服を着せられるようになった自分に
驚いているというか。 』(百々)

今宿: うれしい~。ありがとうございます。

百々: でも最近はあまり撮影で一緒になることもないですよね。多分コロナ前以来。

今宿: 今日が超久しぶりだった。でもいまはインスタグラムとかでやりとりできるし、ライブ配信も見てますし(笑)

百々: いまも見てます? どうですか? 始めたての私といま。つまらなくなってません?

今宿: むしろめっちゃおもしろい(笑)

百々: じゃあよかった。クオリティーが下がってる気がして。ライバーとしての(笑)

ー 今宿さんから百々さんを指名することは?

百々: コラボレーションをお願いされることがあったり。それはすごいうれしい。

今宿: 私は常に百々ちゃんにスタイリングをお願いしたいですけど、お忙しいんで…。

百々: みんなそうやって言うんだよね…。来てないですもん、断った記憶がない(笑)。でも本当に久しぶりで。

ー このスタイリングの主役はボアブルゾンです。

百々: ボアはすごい流行ってるんですよ、本当なんです。これはショート丈のブルゾンタイプで大人っぽいアイテムではないんだけど、あえてフレアスカートにしたり中をボーダーにしたり、コンサバな仕上がりにしています。でも今宿さんはコンサバもいけるんですよね。

今宿: 新鮮。特にこのきれいめなスカートは自分では選ばない。

百々: でもこのブルゾンはありですよね? このブルゾンで今宿さんらしくするなら中はスウェットとか。

たっぷりとしたボリューム感とコンパクトなショート丈が今シーズンらしいボアブルゾンは、衿にあえて膨らみを出すことで全体的に丸みのあるラインを表現。毛足の長さにもこだわることで、柔らかく上品な雰囲気に。ボア特有の保温性はもちろん、見た目のボリュームに反する想像驚くほど軽い着心地が特徴です。

百々: このニット、妊娠中の私でもいけそう。いまは品良く着られるボリュームニットがトレンドだから、いいですよね。ボリュームがある襟が大人っぽいから、このニット自体がエレガントになれる一着だと思いました。グレーに黒、ワントーンのシックな色合わせにしています。

『 こういうルーズなニットに
きれいめなパールを着けるのは、
私も好きです。 』(今宿)

ー 普段から大きめのトップスは着るんですか?

今宿: ざっくり系も着ます。

百々: 今日の私服のスウェットも大きめだもんね。

ー それを着る上で意識していることはありますか?
例えばだらしなくならないようにするとか。

今宿: そのだらしなさがかわいかったりするから、そこまでは考えてないですね。

百々: なんかおしゃれ番長(雑誌『mini』の連載企画)の時のオカジュンさん(スタイリスト・岡本純子)になった感じ。私は文字でしか読んでないけどこんな感じだったんだろうね(笑)

今宿: ご長寿の連載があったんです。

百々: もう終わったんですか?

今宿: だいぶ前に終わってる(笑)

百々: いつか復活してほしい(笑)

今年のトレンドでもある大きな襟をエッセンスとして取り入れ、スヌードのように大きく厚みのあるオフタートルネックに仕上げたミドルゲージニット。ホールガーメントで編み上げているため接ぎ目がなく、すっきりとした印象に。袖先に配したフィンガーホールによる、アームウォーマーを付けているような防寒性も魅力です。

ー 百々さんのスタイリングはどんなところがお好きですか?

今宿: 迷いがない。

百々: でも、今宿さんも人生含め迷いがない系ですよね。

今宿: そんなことないよ(笑)。以前私の私服で百々ちゃんにスタイリングをしてもらうっていう企画があって、普段の自分にはない新しい発見があったからすごい思い出に残ってる。

百々: 今宿さんはミリタリージャケットみたいなカジュアルなスタイルがすごい似合いますよね。でも今日は“カジュアルなアイテムを上品に着る”というテーマだったから、あえて真逆に。だから

『 今回は今宿さんに合わせようとは
していなかったんですけど、
ドハマりしたというか
違和感なく着せられたので、
私自身びっくりしたかも。 』
(百々)

このコーディネートは本当に似合ってる。

今宿: これかわいいよね。イエナらしさが出てる。

百々: サロペットがメインなんですけど、丸首のニットやTシャツを合わせちゃうとカジュアルになるので、ボウタイブラウスでドレス感を。靴もパンプスにして少し肌が見せることで、女性らしさが感じられるようにスタイリングしています。

今宿: ショートカットで甘さが軽減されるというか、甘辛のバランスがハマってますよね。

ストレートシルエットのスカートデザインにアレンジすることで、ワーク色が強いサロペットをレディライクに昇華。素材にはしなやかでコシのあるレーヨンウールを高密度で織り上げた毛羽の少ないツイルストライプを使用しているため、より大人な雰囲気を演出してくれます。シーズン問わず着用できる、ワードローブの心強い味方。

百々: これはちょっと撮影に時間がかかったね(笑)。カーテンの位置? 自分がおばちゃんみたいになっていくのが本当に嫌だった(笑)

今宿: でも大事ですよね(笑)。結果的に写真と洋服がかわいく写っていれば。

百々: このニットパンツは今宿さんらしいアイテムなんですよ。でも、ダブルブレストのジャケットにノーカラーの白シャツとパールのネックレスでギャップを。

今宿: 中のシャツがすごく新鮮で、自分では絶対にしないコーディネートだったし。ジャケットとシャツだからカチっとなり過ぎるかと思ったけど、ニットパンツとフラットシューズで抜け感も出るので、自分っぽさもありつつすごく好きなコーディネートでした。

百々: ショートカットのままっていうのもいいですよね。こういう格好が超似合う。

今宿: 長いですね、ショートカット。

『 キャラクターを大切にしたい方が
ファッションは楽しくなる気がする。 』
(百々)

ファッションもメイクももっと楽しむものとして考えたいですよね。でもイエナの服はいろいろなバリエーションがあるから、私はスタイリングしていて楽しいですけどね。

ふんわりとした肌触りとストレスフリーな履き心地が魅力のニットパンツは、リッチなキャメルカラーで。裾をリブにしたことで生まれるテーパードシルエットも、上品なコーディネートに馴染む秘密のひとつ。左腿にさりげなくあしらわれたゴールドのロゴ刺繍を、トップスの裾からアクセントとして効かせて。

百々: ワラビーがすごいカジュアルじゃないですか? だからニットドレスみたいな服を着ないと。パンツルックじゃない方がいいのかなって。ズルっと着るのではなく、ウエストをベルトでキュッとブラウジングしています。

『 このアンバランスな感じの
スタイリングが、
すごい百々ちゃんっぽい。 』(今宿)

今宿: 色の合わせとか。一時期ワラビー流行ったよね?

百々: 流行ったね~。私はワラビーは履いていなかったかも。

今宿: 私も。撮影では履いていたけど。

百々: でもいまの年齢になってから履くとかわいいのかも。

ー カジュアルな足元となると普段はスニーカーですか?

百々: 私はスニーカー。

ー スニーカーを履く時のマイルールはありますか?

百々: 好きなものを履いてるだけよ! だから言えることがあまりなくて困るの。

今宿: じゃあ私服もあまり考えないの?

百々: 考えてないかも。だって「好き」とか「かわいい」と思って買うわけじゃん? 考えるっていう思考がないですよ。気持ちが上がった時に買ってる。今宿さんはどう?

今宿: 悩む時もあるけど、深く考えることはないかも。好きなものが決まってるじゃないですか?

百々: 決まってる! だから「同じもの持ってるじゃん」とか言われるとイラっとするんだよね。「全然違うし」って!

今宿: わかる! 「ちょっと違うんだよね」みたいな。

百々: 新鮮な気持ちで買ってるから、同じもの持ってるって言われると…。自分が好きなものって決まってるし。直感ですよ!

時代を超えて愛されるクラークスの中でも、ここ数シーズン高い人気を集めているのがワラビー。毛羽立ちの少ない上質なスエードを使用しているためカジュアルになりすぎず、温かみあふれる風合いは秋冬のコーディネートとも相性抜群。付属のスペアシューレースを使うことで、表情にアレンジを加えられるのもうれしいポイント。

PROFILE

今宿麻美 ( ASAMI IMAJUKU )

1996年、雑誌『anan』でモデルデビュー。ストリートファッションのアイコンとして国内外のファッション誌で活躍するほか、女優やラジオ番組の司会業にも挑戦。二児の母となった現在も、変わらずファッションリーダーとして多岐にわたって活躍中。

Instagram: @imajuku0107

百々千晴 ( CHIHARU DODO )

2002年渡英、2004年より東京を拠点にスタイリストとして活動をスタートする。雑誌、広告を中心にスタイリングを手がけるほか、自身の故郷である徳島をルーツとするライフスタイルブランド〈シシクイ〉のディレクターも務める。

Instagram: @dodo_chiharu

STAFF

photo: Kei Sakakura, styling: Chiharu Dodo,
Hair & Make-up: Taeko Suda,
model: Asami Imajuku