

正面から見ても横から見てもかっこいいし、
乗れば乗るほどに愛着が湧く。
望めば遠くにだって連れて行ってくれる。
クルマの話みたいになってしまったが、
スニーカーの話だ。
でも考えれば考えるほど、
スニーカーって
クルマと
よく似ていると思うんだ。
エンジンは積んでいないから
自分の脚で前に進むしかないし、
カーナビも付いていないから、
目的地までのプロセスは
自分で考えなければいけないけれど。
Photo_Shoichi Yamakawa


スケーターたちに愛され続ける〈VANS〉の原点『AUTHENTIC』。シンプルすぎて逆に新しい、そんな佇まいが今の気分にちょうどいい。ラバーソールの重みやキャンバス地のざらつきも、履き込むほどに自分の足に馴染んでいく。派手さはないけれど、だからこそ何十年経っても色褪せない。そんなスニーカー、他にどれだけあるだろう。
未来的なルックスと〈asics〉らしい実直な履き心地。その両立がなんだか不思議でクセになる『GEL-KINETIC FLUENT』。メカニカルなアッパーに、機能美を感じさせるソールユニット。90年代〜2000年代初頭のテック系ランニングシューズの文脈を引き継ぎながら、足元には確かに今の空気をまとっている。ハイテクって、やっぱりかっこいい。
重ねた歴史も、洗練された佇まいも。バスケットボールとフットボール、それぞれのフィールドで存在感を放ち続けるレジェンド同士が交わると、こんなにも品がある。パリ・サンジェルマンのクラブカラーをまとった『AIR JORDAN 1 RETRO LOW OG』は、ストリートにもスタジアムにも映える仕上がり。スポーツをルーツに持つ者たちの、矜持を足元に。
過酷なトレイルのために生まれた一足が、いまや都市の風景にも溶け込んでいる。『XT-6 GTX』は、GORE-TEXを備えた全天候型。ソリッドで無骨、だけどどこか洗練されているのは、機能を突き詰めた先の美しさか。雨の日も、晴れの日も、足元から「ちゃんとしてる」感じがするのがうれしい。
未来を走る、というコンセプトがこんなにも似合うスニーカーがあるだろうか。大阪・関西万博とのコラボレーションで生まれた『THE MIZUNO ENERZY』は、ビビッドな配色もフォルムも、どこか未来都市のプロダクトのよう。けれど足を通せば、そこには〈MIZUNO〉らしい確かな技術と快適さ。先を見据える姿勢と、足元の安定。その両方を一歩に込めて。
モータースポーツのスピリットをストリートへ。『SPEEDCAT OG』は、かつてF1のピットクルー用に開発されたレーシングシューズのDNAをそのまま継承。低重心でコンパクトなシルエット、スエードのアッパー、そして流れるようなラインが、足元に静かなスピード感を宿す。速さを追い求めた先にある、美しさ。
このバネ感がいま改めてクセになる。2000年代初頭を象徴するテックスニーカー『SHOX R4』が、ハイグロス仕上げでさらに未来的に。四連のクッショニングシステムは見た目だけじゃなく、本当に跳ねる。ソリッドで近未来的、けれどどこか懐かしい。そんな時空をまたぐ感覚も、このモデルの中毒性のひとつ。