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【特集】08sircusデザイナー × CITYSHOPバイヤーのスペシャル対談

08sircusデザイナー × CITYSHOPバイヤーのスペシャル対談

2017.09.21
CITYSHOP

08sircusデザイナー × CITYSHOPバイヤーのスペシャル対談
- 経験と実力に裏打ちされた、静かな存在感を生み出す美意識 -

ファッション、フード、カルチャーのニュースタンダードを発信するコンセプトストア、CITYSHOPが9月7日(木)、
ルミネ新宿1に新ショップをオープン。

そのオープンを記念して、「ショップコンセプトを完成させる上でなくてはならない」と片山バイヤーが
強力プッシュする人気ブランド〈08sircus〉のデザイナー、森下公則氏とのスペシャル対談が実現。
森下氏がクリエイションに込める想いや話題のアトリエショップ、特別にオーダーした別注コートなど、彼の世界観について語ってもらいました。

片山(以下K):はじめに〈08sircus〉のブランドコンセプトを教えてください。

森下(以下KM):静かで芯の強さがある女性をイメージしています。僕がメンズからスタートしているというのもありますが、女っぽさを直接的にアピールするのは苦手なので。

K:メンズからブランドを始めて、今年で何年目になりますか?

KM:2009年にスタートしたので、ブランドとしては8年目。レディスは2012年秋冬シーズンから始めて5年目です。

K:メンズとレディスのコレクションは、同じテーマでデザインしているんですか?

KM:そのシーズンの気分でリンクさせることはありますが、基本的にはまったく違うアプローチですね。メンズは自分で着られるから、こういう服を今着たい、という実感も含めてクリエイションしますが、レディスは理想とする女性像に対して今シーズンはこういう気持ち、という捉え方なので。トレンドの流れも異なりますし、分けてデザインした方がしっくりきます。

K:〈08sircus〉の服は、削ぎ落とされたシンプルなデザインでありながら、匠の技というか、計算され尽くしたシルエットやディテールで、着たときに美しく見えるよう仕立てられている。わざとらしくない“静かな美しさ”で、着る人それぞれの素の魅力を引き出して、自分に自信をもたせてくれる服だなあと、感じています。

KM:服としては、わりと立体的な作りのものが多いんですけどね。その構築性が目立ちすぎないバランスを追求しています。一見シンプルに見えるけど、実際に着ると静かな存在感が漂う服。それが理想とする美しさです。

K:CITYSHOPは9月7日に、ルミネ新宿1にポップアップストアをオープンしました。その商品ラインナップを考える中で、〈08sircus〉の世界観を絶対に入れたいと最初から思っていて。CITYSHOPはひねった遊び心をMIXしつつ、大人の女性に向けたショップ。そのコンセプトを表現するには、〈08sircus〉の“静かで強くて美しい”服が絶対に必要だなと。

KM:そうでしたか。

K:今回、CITY SHOP限定で、ブラックとホワイトのコートを特別に作っていただきましたが、サンプルを見た瞬間、「きゃー!」っと大騒ぎするほど、一目惚れしちゃって。袖を通すだけで、着こなしのおしゃれ度が何倍もアップする。こんな素敵なコート、どうやってデザインされたんですか?

KM:メンズの伝統的なチェスターフィールドコートがベースなんですよ。そこから肩をワイドなドロップショルダーにして、ボディにY字シルエットのカッティングを入れて。ウエストはフィットしつつ、ボリューム感のある上半身はしなやかなドレープを描く。そのシルエットが面白いと思って。

K:強くて大胆なデザインだけど、着ると大げさじゃない。キレイめに着られるのが素敵です。

KM:ボタンを留めると独特のシルエットが際立つけど、前を開けてフェミニンなワンピースやワイドパンツなどに合わせると、リアルな雰囲気で着られる。いろんな着方が楽しめるコートだと思いますよ。

K:服作りでは、メンズのアイデアがベースになることが多いんですか?

KM:そうですね。素材もメンズっぽいものを選ぶことが多いし。縫製もアイテムによって、意図的にメンズを手がけている工場にお願いしている。やっぱり違いが出るんですよ。パタンナーさんもメンズが得意なベテランの方ばかりですし。

K:ちなみに服作りの過程で、一番好きなのはどんなときですか?

KM:デザイン画を描くときですね。ファンタジーの世界に浸れるので。アイデアは思いつくたびにネタ帳にメモして、デザイン画は机に向かって一気に描く。雑誌の切り抜きのように、色付きの画像としてイメージが湧いてくるので、それを紙に描きおこす感じ。

K:たくさん描いて、実際に採用される割合は?

KM:1/3くらいかな。こういうのを作りたいのに、そのデザインが生きる素材が世の中に存在しなかったり。生地選びの段階で、いつも現実に引き戻されます(笑)。

K:話を変えますね。約1年前に世田谷区の羽根木に、アトリエショップ「08book」をオープンされましたよね。このショップに初めてお邪魔したときに、まるでギャラリーのような雰囲気で丁寧に作り上げられた完璧な世界観に、強い嫉妬を覚えるほど感動したんです。そもそも、なぜ「08book」を羽根木にオープンしようと思ったんですか?

KM 直営店をオープンしようと計画していたんですが、普通にお店を出すだけでは面白くないと思って。もともと森だった場所に建てられたこの羽根木の一軒家は、緑豊かな庭があって、流れる気もいい。だったらこの場所を生かそうと考えたときに、服だけを売るのではなく、〈08sircus〉としての価値観や美意識をお客さまに感じてもらえる空間にしようと思いました。服以外にも、家具やアート作品、クラフトなど、「次世代に伝えたい本物」をコンセプトに、〈08sircus〉の視点でセレクトしたものを取り扱っています。

K:ブレが全くなくて本当に素敵です! CITYSHOPに来てくださるお客さまは、洋服だけを見て選ぶことになるので、なかなかデザイナーさんの美意識やバックボーンを伝えることが難しい。でも洋服に込められた思いを知ることができたら、もっとその服に愛着が湧くのに…と常々思っていて。なので、この「08book」のショップの素晴らしさを、バイヤーとしてもぜひお客さまに伝えたいです。

KM:服だけの力で売るのは難しい時代ですからね。ブランドのカルチャーや歴史が反映されていなければ、お客さまは選ばない。この流れは今後ますます強くなっていくのではないかな。

K:今は服だけにお金をかける時代じゃないですからね。ファッション好きな女性も、たくさんの服はもういらない。無駄な消費はしたくない。でも、〈08sircus〉は、クローゼットの“マイ・ヴィンテージ”になるまで、ずっと愛用したくなる服だと思うんです。

KM:これまでのように、どんどん消費を続けるのが良しとされる価値観は終わったと思います。本来、日本人にはものを大切にする文化があったんですよね。例えば大切に仕立てられた晴れ着を、ずっと長く丁寧に着る、みたいな。そんな感覚を今一度、大切にしつつ、ブランドとして進化していければと思っています。

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