あの人の、
ニューノーマルと
クラシック。#04.西本克利
New Normal & Classics.
New Normal & Classics.あの人の、
ニューノーマルと
クラシック。#04.西本克利
“芯がある”、もしくは少しマイルドに表現して“スタイルがある”。
そんな大人たちが愛してやまないマイ・クラシックと、
生活や環境の変化によって思わず手に取った(取ってしまった)
自身にとってのニュー・ノーマル。“芯がある”、もしくは少しマイルドに表現して“スタイルがある”。そんな大人たちが愛してやまないマイ・クラシックと、生活や環境の変化によって思わず手に取った(取ってしまった)自身にとってのニュー・ノーマル。
Photo_Daiki Endo
Text&Edit_Nobuyuki ShigetakePROFILE
西本克利 / Katsutoshi NishimotoNISHIMOTO IS THE MOUTH ディレクター、預言者
1979年、埼玉県生まれ。いくつかのアパレルブランドで販売員として働いたのち、2020年に自身の名を冠したファッションブランド<ニシモト イズ ザ マウス>を設立。
Instagram:@k_nisimoto_
Twitter:@Nishimoto6996
YouTube:NISHIMOTO IS THE YOUTUBE西本克利ついて
死ぬときに「あいつ、バカでデブでタトゥーまみれだったな」と笑われたい。
身体の隅々にまで彫り込んだトライバル・タトゥー。長髪にアイウェア。タダモノではない、と脳が直感する、強烈なファースト・インプレッション。そんな西本克利さんのニューノーマルとクラシックについて、都内某所の事務所兼自宅にて話を訊かせてもらった。
もともと弊社が古巣ということで。
西本:はい。もう20年以上前になりますが、<ジャーナルスタンダード>の池袋店で販売員をやっていました。バイトだったんですけど、採用面接のときに遅刻していったんですよ。でも、面接官が言うには、それがなんか面白かったらしくて。
その頃は、今のように顔にタトゥーも入っておらず。
西本:まだ入ってなかったですね。あ、そこに貼ってある証明写真の頃ですよ。今よりも全然痩せていますし、なんか顔も違くて、気持ち悪いですよね。当時って結構販売の仕事もゆるくて、全身<シュプリーム>とか<サイラス>で接客していました。それに2000年前後ってまだいろんなものが合法だったから、■■りながら働いてたときもありましたね。■■◾︎■■◾︎■◾︎■ー■を食って■■った状態で6時間くらいパンツの陳列を綺麗にし続けたり……あとは店長とか偉い人が早番で退勤したあとは、店内のBGMで自分が好きなゴアトランスをかけたりしていました。タイミングによっては結構、カオスなお店だったかもしれませんね。
わずかに面影は感じられるが、確かに別人である。
ちなみにそれまでにアパレルでの経験は?
西本:そのときが初めてだったんですよ。そういう意味では、その後<キム・ジョーンズ>、<ビズビム>と、20年ほど接客業で働いてきましたが<ジャーナルスタンダード>が一番最初の入り口だったし、経験を積ませてもらって感謝しています。お店では嫌われていましたが(笑)、可愛がってくれる先輩もいたりして、当時のことはすごくよく覚えていますね。
何か印象深いエピソードはありますか?
西本:お店の向かいに大手のセレクトショップが入っていて、そこにシンデレラみたいな女の子がいて。その子を好きになっちゃったんですけど、お店の人には「絶対に無理だからやめとけ」とずっと言われていましたが、普通に告ったらなぜか付き合えたんですよね。こういうエピソードでいいですか? ちょっと違いますよね。およそ2年ほど在籍していましたが、結構楽しかったですね。池袋は実家の西川口からも近かったですし。
遊ぶときは基本的には池袋、という感じでしたか。
西本:池袋でしたね。埼玉の人間は、池袋より向こうには行かないんじゃないですかね。その当時が2000年前後なので、リアルに『池袋ウエストゲートパーク』みたいな治安でした。チーマーみたいなのもいたし、■ビデオ屋とか■■■のショップがまだたくさんあったような感じです。僕自身も■■◾︎■めっちゃやってました。西川口の治安も最悪でしたね。
接客はお好きだったんですか?
西本:好きではなかったです。ゲーム感覚でやっていました。100万のジャケットがあったとして、それを目の前のこの人にどうやって売ろうかな? って、その駆け引きが楽しいだけでしたね。売れたら売れたで「ああ、売れたな」って思うだけで、月給で働いている自分にはインセンティブ的なものは入ってこないわけじゃないですか。だから「こうすれば売れるんだな」とか、そういうノウハウを学ぶのを楽しんでいました。あれって要は詐欺じゃないですか。原価で考えると100万のジャケットとか異常ですからね。だから、詐欺感覚でやってました。
<ビズビム>にいらっしゃった頃は、かなりの名物スタッフだったと認識しています。
西本:そう言っていただくことが多いですね。すでにタトゥーもたくさん入っていましたから。<ビズビム>には16年ほど勤めていましたが、やっぱり良いブランドだよな、と辞めて2年ほど経ってから気が付きました。在籍中はいろいろ問題も起こしていましたし、半分クビみたいな感じで退職しましたが、社長というかデザイナーのことは今でも尊敬しています。ファッション業界で働くうえでの考え方や人との接し方など、たくさん学ばせてもらいました。副社長はかなり嫌いで、今でも殴らせてほしいと思っています。
ファッションはずっとお好きだったんですね。
西本:好きか、と言われると否定したくなりますが、世代的に裏原ど真ん中なんですよ。中高生の頃はむしろ音楽やアートなどのサブカルチャーに没頭していて、それらに触れている過程で自然とファッションにも繋がっていった感じです。当時は<アンダーカバー>や<ア ベイシング エイプ>、<ダブルタップス>が好きで、バイトして買っていました。その頃にスケシン(SK8THING)さんやYOPPIさんの存在を知って、大いに影響を受けましたね。のちに知り合うことになって、30代の頃はめっちゃ可愛がってもらっていました。いろんなことに詳しくて、優しくてかっこいいお兄ちゃんたちって感じですね。
お2人ともファッション業界に長年いらっしゃる方々ですが、それでも「ファッションだけをやっている人」という感じは皆無ですよね。
西本:そうなんですよね。アウトプットの媒体として洋服を選んでいるだけであって。裏原のカルチャーは、音楽やアートとの結びつきが強いからより神格化された部分もあるかと思います。
ところで、裏原ど真ん中世代と聞いて、分かってはいたもののすごく納得しました。というのも、<ニシモト イズ ザ マウス>の盛り上がり方に裏原全盛期の「なんだか分からないけれどいろんな人が着ている」あの独特な雰囲気を感じたんです。改めて、どういったブランドなのか、お聞かせください。
西本:<ニシモト イズ ザ マウス>は友人と3人で始めたブランドで、飲み屋にいるときに盛り上がって「Tシャツでも作るか」と軽いノリで始まったくらいのものなんです。架空のカルト宗教を題材にストーリーを描き、それに基づいてコレクションを展開しています。それがどうしたことか、ドレイクやヴァージル・アブロー、トム・サックスの手に渡り、着ている写真がメディアに上がることでいろんな方に注目していただいて、アメリカから逆輸入で日本でも認知されたって感じですね。今は5シーズン目になります。僕自身が面白いな、と思うアーティストとコラボレーションをしたり、描いているストーリーとは別軸に、自分が好きなゴムやガバなどの音楽のテイストを洋服に落とし込んで表現したり、徐々に自由にはなってきていますね。
カルト宗教が題材、という点にすごく興味があるのですが、もともとそういったテーマはお好きだったんですか? ……まあ、部屋を見たら分かることですが。
西本:好きでしたね。ヴィジュアルやアウトプットがサイケで面白いな、という印象です。ですが、そこまで深掘りはしていません。心持ちとしては、宗教はどこにでもあるものだと考えていて。
ああ、なるほど。
西本:たとえば<コム・デ・ギャルソン>が大好きな人は優れた縫製や素材のみでなく、少なからず川久保さんのクリエイションに心酔してお金を払っているわけで。それは宗教となんら変わりないものだと思っています。きっとホストクラブだってそうですよね。場所やお酒にお金を払っているわけではなくて。何かに夢中になる人は、どんな人でも信仰のマインドは持っているんじゃないかなって思うんです。そういった部分に面白さを感じています。それと宗教を題材にしているのは、僕の見た目が教祖のようだからでもあります。
なるほど。ブランドを始めてからは、心境や身の回りの環境の変化は?
西本:月並みですが、真剣にふざけたことをやるのって楽しいなって思っています。コメディもそうですけど、めちゃくちゃ真面目にふざけたことをやるのって、かっこいいじゃないですか。重竹さん、『劇場版 テレクラキャノンボール 2013』って映画観ました?
もちろん観ました。素晴らしい作品ですよね。
西本:そうそう。あれって本当にふざけているし、常識では考えられないことをしていて笑えるけど、最後には泣けるんですよね。とにかく真剣にふざけたことをやるのは本当にかっこいいことだと思っていて、僕自身も、死ぬ時に笑われたいというか。こんなバカなデブいたな、タトゥーだらけだったな、みたいな。そういう、笑われる感じで死にたいですね。どんどんいじってもらいたいです。
別のメディアでもそのように公言していましたが、履き違えた絡み方してくる人とか、距離感がバグってる人も多いのでは、と思うのですが。
西本:もちろんいますけど、わりとサヴァイブしている感じです。10代〜20代の頃に培った経験で「この人やばいかもな」と察する能力は非常に高いと思います。それに、怒ったり喧嘩したりとネガティブな行動はやはり避けておきたくて。それは自分でブランドを始めて、いろんな人と接するようになって変化したことですね。昔は人のことがすごく嫌いだったんですけど、近頃はちゃんと向き合うようになりました。結構、純粋になってきている気はします。でも、すごい態度悪い人にはイラっとはしますね。富士そばの店員とか。ただそれって「写し鏡」と言われているので、自分自身も人との接し方は気をつけるようにしています。とはいえ、なんだかんだやっぱり、ポジティブな変化の方が多いです。
ポジティブな変化、というと?
西本:『街録ch』や『ニートTOKYO』などで僕のことを知ってもらって、街でも声をかけていただくことが増えました。やっぱりそうやって声をかけてもらうのは嬉しいです。普通の販売員だったのに「写真撮ってください」とか言われるんですもん。毎回、本当に俺でいいんですか? って思っちゃいます。先日も街を歩いていたら、学生さんに「西本さんですか?」って言われて、ギャグで「違います」って言ったらめっちゃ笑ってくれて、それも嬉しかったです。
あはは。違うわけないですもんね。
西本:はい。絶対間違えるはずないんですけど、言ってみたかったんですよね。
西本克利のニューノーマルとクラシックについて
ファッションは好きだけど、“ファッション業界”は大嫌い。
ファッションは好きだけど、
“ファッション業界”は大嫌い。ブランドを始めたことがさまざまな変化のきっかけだったようですが、これから<ニシモト イズ ザ マウス>はどのようになっていくのですか?
西本:いわゆる「10年後、どうなっていたいか?」ですよね。聞かれることは多いのですが、毎回「分からない」と答えています。明日、死ぬかもしれないので。とにかく長くやれたらとは思っていますね。中途半端でやめちゃうのは本当にダサいので、とにかく続ける、ということを念頭に置いて毎日やってます。
では、直近の動きでいうと?
西本:ちょうど2023年秋冬のルックの撮影をしているところです。次は「踊る」をテーマに、自分が好きなブラックメタルとガバと、あとその周辺のゴムという音楽ジャンルをミックスしたアイテムを出します。あとはスポットで、ファッションブランドではない異業種とのコラボレーションを複数予定していて、それもかなり面白くなりそうですね。総じて自分にしかできなくて、かつ最善な手を打とうと日々、頭と身体を動かしているところです。
コラボレーションの相手選びやブランドの世界観作りについても、絶妙だなと思っています。それも、長年業界にいるからこその塩梅なのかなと。
西本:ブランドとしてお金や知名度がもっとあれば、と何かを諦めることもありますが、できる範囲では最良の選択ができていると個人的には思っています。先ほど<ニシモト イズ ザ マウス>に裏原全盛期の雰囲気を感じる、と言っていただきましたが、意識的にそうしているわけではなくて、やっぱりルーツというか憧れがあるので、似た系譜は辿ってしまいますね。商売っ気がなさそうに見える感じとか、なのに中の人間が広告塔としてメディアに出てくる感じとか。昔はそういうの本当にダサいと思ってましたけど、やる側になって、これは必要なことだったんだなと理解しましたね。
ちょこちょこ「ダサい」という言葉が出てきていますが、西本さんが思う「かっこいい人」ってどんな人なのかなって。
西本:すごくシンプルなんですけど、やっぱり見た目にしろ性格にしろ、個性が立っていることが超大事だと思います。ものすごく太ってても極限まで痩せてても、ちゃんとキャラがあって、人の真似でなく自分だけのスタイルを持っている人は超かっこよく見えますね。ちょっと違う話ですが、海外ってそういう個性に対して寛容だったり、良い意味で敏感だったりして。アメリカに行くと、50m先に僕を見つけた現地人が駆け寄ってきて「おい! お前のタトゥー超やばいな!」「どこで入れたのか教えてくれよ!」って言われてハイタッチされる、みたいなことが日常的にあるんですよ。日本だとかっこいいと思ってくれたとしても、こっちから目を合わせると逸らされちゃうことが多いので。
確かにアメリカでは、街ゆく人が「そのスニーカーやばいね」とかガンガン話しかけてきますよね。
西本:そうそう。それで少し会話して、別れるときに「Have a good day!」とか言うじゃないですか。最高だなって思います。寛容だし、素直だし、国として成熟していて羨ましいと思いますね。
すみません、脱線した話を戻しまして、ファッションブランドでなく、異業種とのコラボが多いことには何か理由が?
西本:正直、ファッションブランドとのコラボはもういいかなと思っているところもあります。
やっぱり、そうなんですね。
西本:はい。ファッション業界は、嫌いだなと感じる部分はやっぱり多いですね。販売員の頃も「なんでこんな高いお金を出してこんなもの買うんだろう?」と思いながら働いてました。そのお金があれば旅行して、美味しいもの食べて、■■◼️■やって、■◼️■■して、もっと楽しい快楽がいくらでもあるじゃんって。でもそれは人それぞれだよな、とも当然理解しています。500万のジャケットを買った人はそれを買うことで■■◼️■やったときと同じくらいのエクスタシーが脳内で分泌されていて、すごく満足しているんでしょうし。どこか遠くへ旅行するよりもよっぽどトリップしてるんだろうな、と。
それもご自身でブランドをやるようになって、感じたことであると。
西本:そうですね。だから、“ファッション業界”はすごい嫌いなんですけど、ファッションのことは人よりリサーチしているし、実際に買いもするし、めっちゃ好きなんですよね。カルチャーとしてのファッションは本当に素晴らしいと思います。まあ僕自身、洋服はこの白の上下しか着ていないんですけどね。
西本さんといえばこの白の上下ですよね。
西本:おしゃれをしたい気持ちはあるんですけど、自らに制約を課して、白しか着ないようにしています。自分のブランドもあえて着ていません。でも僕が<バレンシアガ>とか着ててもブランドの世界観がブレるだろうし、同じ白の上下しか着ないのも、Appleの人みたいにミニマルでいいかなと思っています。
ちなみにどこのものなんですか?
西本:どこのかは言えないんです。この上下は自宅に20セットほどあって、これしか着ないので、もはや定番とかの次元を超えている感じはありますね。洋服には制約を設けていますが、バッグとメガネ、スニーカーとグリルの4点は自由に選んでいい、ということにしています。おしゃれをできるのは、そこだけです。
メガネもいつも同じものをかけてらっしゃいますよね。
西本:これは<ブラン>という、日本のブランドのものです。インスタライブとかで「どこのメガネですか?」と聞かれることがよくありますが、いろんなところで答えているので真面目に解答するのがバカらしくなり、最近は「<ポールスミス>と<アニエスベー>のダブルネームです」と適当に答えています。8本あって、すべて同じ型ですがレンズは替えています。
おぉー。すごいですね。どのように使い分けているんですか?
西本:気分で選んでいますが、たとえばピンクなんかはファッション系のレセプションパーティなどの華やかな場所で目立ちたいとき、ですかね。でも、最近はほとんどかけてないですね。今かけているブラウンか、ブルーのミラーを選ぶことがほとんどです。
ミラーのイメージが強いです。
西本:基本的に普段はクリアレンズのものをかけていたのですが、人に見られると目眩が起こるんですよね。顔にタトゥーが入ってるからなのか、すごく人から見られるので。心療内科にも通っていて薬も飲んでいるんですけど、サングラスをすることによって結構それが防げているというか。
なるほど。もう、いわゆる必需品というか。
西本:そうですね。あと単純に目が悪いので。これがなくなったらいろんな意味で生活ができないです。ただ、DJのときもかけてるんですけど、照明や機材の具合でミキサーのボタンが見えないことがあって、この前DJしたときも全然見えなかったから適当にやりました。このメガネと白のセットアップが自分にとってのクラシックですね。
ありがとうございます。そしてニューノーマル=新定番として、グリルをお持ちいただいたと。これもすごいですね。
西本:いつも御徒町のグリルズジュエルズで作ってもらっています。ケースは大好きなサンリオのもので、全部メルカリで買いました。真ん中の、ゴールドのグリルのみ14Kで、あとはシルバーです。結構色ものが好きですね。
モノとして、すごくかっこいいです。ブルー、グリーン、ピンクの感じ、やばいですね。
西本:このメカ感というか、未来感が堪らないですよね。
あと歯並びめっちゃいいですね。これは一回歯型を取ったら、以降はそれに合わせて作るんですか?
西本:そうです。完成まで3ヶ月ぐらいかかるんですけど、これを待ってるときがすごい楽しくて。「出来上がったよ」って連絡がきて、受け取るために御徒町に行く電車が本当にテンションが上がるんですよね。出来上がるまでの過程が楽しいのは、タトゥーも同じですね。
タトゥーの話ですが、最近は増やしたりは?
西本:最近は入れるマインドじゃないんですよね。もう2年ぐらい入れてなくて。次は足の裏と眼球に入れたいと思っていますが、今はブランドの活動に専念しているので、彫り師の方とも全然会えてないんです。自分の中でリズムがあるので、またタイミングがハマったときに行こうと思っています。
遠藤(フォトグラファー):手のひら、めちゃくちゃ痛くなかったですか?
西本:めちゃくちゃ痛かったです。一番痛かったかもしれません。多分、足の裏はもっと痛いと思います。彫り師さんには手のひらのタトゥーを入れ直したいとずっと言われているんですが、ものすごくテンションが上がらないと入れられないので、次に超キレイな人と付き合ったときに記念に入れようかなと思ってます。
ところで眼球にも入れたいってびっくりしたんですが、そもそも入れられるんですね。
西本:そうなんですよ。友人のタロウくんが白目に入れて数年経つのですが、彫り師さんには、10年以内に失明する可能性があると言われているらしいんです。だからタロウくんが入れて9年目くらいに失明の心配がなさそうだったら入れようかなと思っています。失明するのはさすがに嫌なので。でも、入れたら絶対モテなくなると思いますね。
お次は……これはなんですかね?
西本:被りものです。ゆるキャラとか可愛いキャラクターが大好きで、たくさん集めています。購入先はだいたいはメルカリですね。ぐでたまのやつはサンリオピューロランドで買いました。<ニューエラ®︎>みたいに、この紙タグは外さないようにしてるんですよ。被るとこんな感じで……
あ、すごく似合いますね。
西本:こないだこれ被ってDJしたらめっちゃ盛り上がりました。昔はイマイチ似合いませんでしたが、ロン毛になってハマりがよくなってきたんですよね。フラップ付きのニット帽みたいな感覚かなと思っています。こういうのを自分のブランドでも作りたくて、営業に「できない?」と聞いたら、ロット数の関係で全然ダメそうでした。最低ロットが3000個とかで、さすがにそれだと在庫抱えることになりそうだなと。
しかし、部屋中にとんでもない量のコレクションがありますね。
西本:加賀美さんもそうでしたけど、僕もいろいろ集めたくなっちゃうんですよね。最近は2000年代のものをすごい集めていて、浜崎あゆみ関連のグッズとか、その当時のベルファーレトランスのオムニバスCDとか。値崩れしてタダ同然みたいになってるやつを掘りまくって、メルカリですごい買ってます。
出品はせずに購入だけ、ですか?
西本:そうなんですよね。どれも手放したくなくて。一個一個何かしら思い入れがあります。最近のものでも、竹下通りの外国人向けのお店で日本土産みたいなものを買ったり、スニーカーもずっと買ってるし、あとはアーティストの展示に行って、好みな作品があれば買ったりしています。CD、レコード、アートブックや書籍も日々増えていますね。そのせいで部屋が狭くなっています。
アート、音楽、ファッションが生き甲斐なんですね。
西本:はい。あとは女と■■◼️■ですね。酒は30代までで一生分飲んだので、もう飲みません。
↓西本さんの最近のコレクションから一部をご紹介↓
2000年前後に流行した、シッポ型のフェイクファーチャーム。竹下通りで購入。竹下通りには未だ平成が残存している。
こちらも竹下通りのインバウンド系土産屋で購入。「忍者 NINJA」のロゴが渋い。500円。
『闇金ウシジマくん』『九条の大罪』などの作者として知られる真鍋昌平先生による西本さんの似顔絵は一緒に食事をしているときに2分くらいでサクッと描いてもらったもの。タトゥーを描くと時間がかかるため、タトゥー無しになっている。
人間をモチーフにしたテキスタイルオブジェを作成する平手さんの作品。同人物は2022年に『1_WALL』のグランプリを受賞するなど、昨今注目を集めている新進気鋭のアーティスト。
ここには載せられない言葉がたくさん書かれていた。