
- DENIM/INSCRIRE×Lee×L'ESSAGE/¥25,300
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さまざまな着こなしで紹介したデニムパンツこそ、新たに発表するトリプルコラボレーション作。INSCRIREとLeeとL’ESSAGEがタッグを組み、生み出された逸品だ。ブルーとブラックをベースにした2つのカラーバリエーションで、色合いによって印象が大きく変わるのも他にはない魅力。
目を引くプロダクトは、Leeの伝統や文化への敬意を込めて、INSCRIREがモダンな発想でデザインしている。完成したのは、左右でちがうジーンズを使い、片側を裏返してドッキングした斬新な1本。
さらに今回使われている2種類のジーンズは、どちらもLeeの代表的なスタイルのLOT“101”で、1925年のデビューから今年で100周年を迎える記念アイテムという特別仕様。コラボデニムの右脚には1930年代の“101”スタイルの“COWBOY”を、左脚には1950年代の“101”スタイルの“RIDERS”のデザインを落とし込み、デニムファンの心を掴む全く新しいモデルが誕生した。
L'ESSAGEのために作られた、遊び心あふれるデニムパンツ。こだわりのディテールや背景にあるストーリーについて理解を深めれば、きっとさらに愛着が膨らむはず。ここでは、INSCRIREデザイナーの岡ゆみかさんとLee企画生産課の加藤克進さんの言葉とともに、奥深い魅力をたっぷりお届けします。

INSIDE OUT
裏返しのポケットが印象的な左脚は、Lee“RIDERS”の裏側を表側として仕立てられている。INSCRIREのコレクションでも裏を表として纏うアイテムを多く発表する、岡さんの想いとは。「裏側のデザインが凝っていて生地や色も好みだと、その洋服を裏返して着たいと思うことがあるんです。Leeの“RIDERS”は、まさにそういう気持ちを掻き立てられるような完成度の高いもので、今回の発想に至りました。左右で年代の違うモデルの表裏を組み合わせることで、Leeの変遷も感じていただけたら嬉しいです」。ファスナー開きの“RIDERS”を左側にレイアウトすることで、穿きやすさにも配慮されている。

TRIPLE NEEDLE STITCH
右脚に採用されているのは、Lee“COWBOY”。1930年代の“101”スタイルならではのディテールにも注目したい。Leeの加藤さんにポイントを聞いてみると、「三本針のステッチが、“COWBOY”の特徴のひとつです。当時、通常の二本針より耐久性の高い縫製として取り入れられました。これは、ブランドが元々カウボーイ向けのワークウェアだったことにも由来しています」とのこと。「戦前と戦後のモデルを組み合わせているので、ステッチを始めとした左右のディテールの違いをお客さまが発見できるのも、このパンツのおもしろいところです」と、岡さんも語る。


LEFT AND RIGHT
よく見ると、左右のバックポケットのフォルムにも違いがある。「右側の“COWBOY”は下膨れ、左側の“RIDERS”はシャープな形になっています。そして、今もLeeのポケットにあしらわれている“レイジーSステッチ”が、1930年代も1950年代も使われていたことにも気付いていただけると思います」と、Leeの加藤さん。バックスタイルを彩る、ヘア・オン・ハイドのレザーラベルもLee“COWBOY”ならでは。さらに、当時のカウボーイたちがサスペンダーを使って穿いていた名残のシンチバックにより、ウエストのサイズ調整も叶う。デニムフリークの加藤さんを「Leeのオリジナル商品でもなかなか表現できない、いいとこどりのドッキングデザイン」と唸らせる、見事な共作は見逃せない。

INSCRIRE DESIGNER
YUMIKA OKA
岡 ゆみか・INSCRIREデザイナー/NEPENTHES、DEUXIEME CLASSE、DRAWERのデザイナー、バイヤー、MDを勤めた後、2017年秋冬シーズンからINSCRIREを発表。自身も普段から愛用するデニムをワードローブの主軸としてコレクションを展開する。

Lee PRODUCTION ENGINEERING
KATSUYUKI KATO
加藤克進・Lee 企画生産課/コンサルティング業界を経て、2018年に入社。現在はLeeのメンズを中心に、シーズナルアイテムから復刻アイテムの“THE ARCHIEVES”まで、幅広い人気シリーズの企画を担当する。
photography_Keita Goto[W]
styling_Kayo Yoshida
hair & make-up_TaekoSuda
model_Hiromi Ando
edit & text_Akiko Fukunaga