

case:
005
Himi Sato
アーティスト / 俳優
Photo_Mala Morgan
Movie_Taiga
Hair & Make-up_Natsumi Kamiya
今年も春がやってきた。出会いと別れ、期待や不安。
色んな予感と気持ちが胸の中を巡りつつも
なぜだがジッとしてはいられない。
それは、輝いて見えるあの人たちだって変わらない。
新しい景色を見るために人知れず葛藤して、
今も挑戦を繰り返しているはず。
歳も性別も、畑も違う13人の人々が教えてくれた、
彼らの心を動かすもの。
時代の閉塞感がどれだけ強まっても、
好奇心と情熱は奪えない。
お気に入りの1着に袖を通したのなら、
さぁ、新たな自分に会いに行こう。
20代を迎え、音楽・演技の世界で
これから先を牽引していくであろう佐藤緋美。
クールで無口に見えるその出で立ちに反し、
いざ話してみると並々ならぬ野心と熱量を
我々にぶつけてきた。
「何のカテゴリーにも属したくない、常に
ジャンルレスでいた方が柔軟に対応できるんです」と
笑みを浮かべて話してくれた向こうには、
余計な知識や常識に捉われず、
現在の音楽に対するアティチュードを
感じ取ることができた。
2020年が始まり、精力的に音楽活動を行なっていますね。まずは音楽に興味を持ち始めたきっかけについて教えてください。
家族で横浜にある父親のスタジオを訪れたときに、遊びでドラムを叩いたのが始まりなのかな。多分2歳ぐらいだったはず。その後に父親から子ども用のギターをプレゼントしてもらって、ポロポロと遊び感覚で弾いていましたね。その当時の写真もしっかり残っていて、ぼくがオムツを穿いてギターを持っているんですよ。
幼少の頃はどんな少年だったんですか?
運動もゲームも大好きで、とにかく好奇心旺盛でしたね。インターナショナルスクールに通っていたときは、バスケ、サッカー、野球も一通りやっていましたし。後はとにかく音楽に夢中でした。
それから物心がついて、ますます音楽に没頭していったんですね。では、特に印象を受けたアーティストについて教えてください。
間違いなくマイケル・ジャクソンですね。『HISTORY』っていう90年代後半に行ったワールドツアーのDVDを、小学生の時にめちゃくちゃ観ました。彼の曲だったら「Remember the Time」が一番好きで、エディ・マーフィーが出ているMVも飽きるくらいリピートしました。両親が好きで、そこからの影響で一気にハマりましたね。あとはデヴィッド・ボウイやプリンスも頻繁に聴いていました。
そこが音楽のルーツなんですね。本格的に楽器を始めたのはいつぐらいなんですか?
高校生ぐらいです。実家には様々な楽器があったおかげで、ギターからベース、ドラムまで満遍なく演奏できるようになりました。特にギターはYouTubeでコード進行の動画を観ながらひたすら勉強しましたね。
現在、アーティスト活動と並行して俳優としても活躍されていますね。演技の魅力ってどんなところにあるでしょうか?
音楽は自分で創作するものですが、俳優は自分ではない違うキャラクターを演じないといけない。感情をうまくコントロールして、セリフもスムーズに言えないと変な感じになっちゃうから、すごく難しいですね。でも、それをクリアできたときの達成感が堪らないんです。去年はドラマにも出演させていただいたんですが、すごくいい経験になりました。
音楽や演技を学んでいくなかで、何か発見や得られたことはありましたか?
音楽でいうと、以前よりもデジタル化が進んで、配信限定っていうワードをすごく耳にする機会が増えた気がします。なので、ぼくも自主レーベルを立ち上げて、自在に音楽を発信していこうというマインドを持つことができました。配信形式だと海外のリスナーも気軽に楽曲を聴くこともできますしね。今後も自分の知名度を上げるために、コンスタントに音楽配信を行っていく予定です。
先日リリースした1st EP『STEM』も配信限定でしたよね。
初めての試みだったので、色々と手探りではありました。打ち込みや楽器は全て自分で演奏したものを宅録して、音源を重ねていったんです。それをマスタリングして。短期集中型なので、一曲を約一週間で仕上げていきました(笑)。これを周りに話すと結構驚かれるんですよ。ちなみに今回のタイトル『STEM』は英訳すると根っこで、ぼくの音楽の原点という意味合いも含んでいます。
リリースしてみて、周囲からの反響などはいかがでしたか?
仲の良い友達はもちろん、海外にいる友達からも「めちゃくちゃよかったよ!」ってメッセージが送られてきて、素直に嬉しかったです。あとは今回のEPのジャケットがぼくのバストアップの写真で、それをiTunesやSpotifyで見るのがすごく新鮮でした(笑)。
自主レーベル「ASILIS」についても教えてください。
「ASILIS」はPERMETRONというクリエイティブクルーに所属している西岡将太郎君と二人で立ち上げました。由来は“AS IT IS=ありのまま”の略称で、“I”を“L”にアレンジしました。いまの世の中、大手レコード会社に所属して、それに左右されるアーティストが多いなか、ぼくらは自由にありのまま活動していこうっていうコンセプトのもとで音楽を創っていきたいんです。自分たちで制作した音楽を世の中に発信して、それが何もフィルターを通さずにきちんと評価されて、それがそのままお金に還元されるっていうのも旨味なんじゃないかなと。いまは「ASILIS」の基盤作りをしている最中ですが、その試行錯誤も割と楽しいんですよ。
今後も所属アーティストは増えていく予定なんですか?
そうですね。ぼく自身が海外アーティストにすごく興味があるので、国内外問わず仲間を増やしていきたいとは思っています。直近でいうと、「ASILIS」所属のDr.Payとタッグを組んだヒップホップユニット「D.N.A.」にも注目してもらいたい。このユニットは同年代にアプローチしていきたいストイックな楽曲がメインになっています。
表現者として在るために、普段から心掛けていることやルーティンはあるんですか?
同じ場所で創作活動するよりも色々な場所に出掛けて、インスピレーションを得るようにしています。ずっと自宅にいて作詞作曲していても煮詰まっちゃうので。好きなアーティストや友達のライブに行って、刺激をもらったりもするし。あとは、川沿いを散歩していると、いきなりアイデアが降りてくることもたまにあります(笑)。ルーティンでいうと、起床後すぐに朝練的なノリでギターを触るようにしています。
ちなみに最近行ったライブは?
コリー・ヘンリーというアメリカのアーティストのライブに行きました。ソウルをベースとしたジャズとファンクをミックスした鍵盤奏者で、最初から最後まで釘付けでした。あとは渋谷公会堂で行われたハナレグミのライブも最高だった。号泣しちゃいました。
今回は春に聴きたいプレイリストも作ってきてもらいました。新旧さまざまなアーティストをピックアップしましたね。
これめちゃくちゃ悩みましたよ(笑)。特にテーマを設けずにシンプルに聴きたい曲を選びました。中でもオススメはジョン・キークかな。R&Bとヒップホップを上手に組み合わせたサウンドは、ぼくにとってもすごく参考になりました。あとはテーム・インパラの新しいアルバムからも一曲セレクトしましたが、抜群の完成度で聴き惚れました。
昨年末に誕生日を迎え、成人の仲間入りをした心境についても聞かせてください。
心の変化はあまりないんですが、二十代になったので今以上に仕事もプライベートも精一杯頑張ろうって思ってます。年が明けて、地元の成人式に参加したんですが、周りの友達たちもそんなに変わってなかったです(笑)。みんな徐々に成長していくんですかね。
今年はますます飛躍の年になりそうですね。
すべてに対して果敢に挑んでいく一年にしていきたいなと思っています。新たにシングルのリリース予定もあるし、大きいフェスへの出演も決まっているので、思う存分に音楽を楽しめたらなと。そしてゆくゆくは、海外進出も視野に入れてチャレンジしていきたい。世界には面白いモノやコトが溢れているので。
PROFILE
佐藤緋美 / さとうひみ
1999年12月19日生まれ、東京都出身。2017年にモデルデビュー。翌年に寺山修司原作の舞台「書を捨てよ町へ出よう」で俳優として初出演。最近では“HIMI”名義で1st EP『STEM』をリリースし、音楽業界からも脚光を浴びる存在に。5月には公開される新作映画『#ハンド全力』に出演予定。
Instagram : @himimojo
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