



スタンダード。
基準・標準といった意味をもつこの言葉を
ファッション的に紐解くと、
時代とともにひとそれぞれの解釈で変化してゆくことだと思う。
ジャーナルスタンダードが考える「スタンダード」は、
古くからいまに残る名品たちを愛し、
それらをスタイルとしていまにアップデートさせること。
国や年代、
カテゴリーを問わず、
自分の解釈で編集しファッションを楽しむこと。
そして、自らのスタンダードを信じること…。
本誌
《JOURNAL STANDARD INWORDS》は、
そんな“スタンダード”について再考します。

Editorial Director : Masashi Katsuma(IMA:ZINE)
Cover Photo : Shimpei Hanawa
Design : Ryota Ebina(eieio)
Standard is... photo : Hiroshi Nakamura
styling : Keisuke Morita
hair & make : Kana Sakurai
9 Documents photo : Shimpei Hanawa
MY STANDARD illustration : Soichiro Higashimori
Text : Shohei Kuroda

自分たちの解釈をスタイルに添えていく。
キーワードにした2023AWシーズン。
「YOUTH BLEND」と「SLOW TECH」を




ジップアップニット【JOURNAL STANDARD TRISECT2】¥31,900BUY
マウンテンパーカー【JOURNAL STANDARD】¥23,100BUY
ヘンリーネックカットソー【JOURNAL STANDARD】¥8,800BUY
ブーツ【Sanders別注】¥52,800
ニットキャップ【THE INOUE BROTHERS】¥15,400
ネックレス【40’s Battery Bird】¥99,000












1876年に創業した英国・ロンドンの老 舗モーターサイクルブランド《JAMES GROSE》。 数多のバイカーたちから厚く支持されながらも1971年にその長い歴史に幕を降ろしたが、約40年ぶりに新たにラグジュアリーレザーブランドとして時を刻み始めた、通称“ロンジャン”の代名詞的存在。 いまやロンドンで唯一となったライダース専門ファクトリーで熟 練の職人によってハンドメイドされており、そのデザイン性や高い縫製技術から、世界のモーターサイクルシーンにおいて欠かすことのできない存在となっている。 ダブルのバイカーズジャケット“NEW MANILA”は、軽さのあるホースレザーを使用。 ボールチェーンの付きのポケットやバックのアジャスターベルト仕様など、クラシックなブリティッシュスタイルのディテールを配したブランドの代表作のひとつ。 そのニューマニラをベースに、象徴的なディテールやパーツは踏襲しながらも、ジャーナルスタンダードらしくアレンジを加えたこちらの別注は、裏地を表地と同色のブラックに変更。 フロントや袖、ポケットのジップはシルバーのままに、襟とウエストのスタッズボタンをブラックにすることで、男らしいムードを“引き算”し、より着やすく、よりスマートなビジュアルへとアップデートさせた。 また、通常よりも袖を若干短く修正することで、街着としても違和感のないシルエットに設定。 あえてフリースやウールなど冬ならではの素材と組み合わせ、ライダース特有の強さとのバランスを楽しんでいただきたい。
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1969年にバスケットボールシューズとしてデビュー。 1980年代には伝説のヒップホップグループ「RUN - DMC」が着用したことからファッションシーンでも熱烈な脚光を浴びた、スニーカー史に名を残す名作のひとつ。 そのスーパースターの、アッパーをはじめライニングやインソール、アイコンでシェルトゥまでも本革に変更したLUXシリーズを、初めてとなるホワイト×ブラックのツートーンカラーに設定した、ジャーナルスタンダードのエクスクルーシヴ。 ヒールに入った金文字のネームやロゴのないシュータンは、スーパースターが誕生した当時のディテールを踏襲するなど、その歴史に敬意を表しながらラグジュアリー感と現代的なムードをプラス。 ジャケット&スラックスなどのトラディショナルなスタイルの足元に取り入れることで、絶妙なヌケ感をもたらせてくれるだろう。
もはやスタンダードと表現することすら憚られる、デニムの原点であり頂点の《リーバイス》の501®。 その最 大の魅力である美しいストレートシルエットはそのままに、加工・ディテールにアレンジを加えたエクスクルーシヴモデルが誕生した 。 ダークインディゴをベースにポケット口と裾に緩やかなダメージを加え、肘から膝にかけて適度な縦落ちとアタリを入れることで、ほどよく履き込んだ風合いを表現。 レザーパッチやビッグEタブなどプレミアムなディテールを踏襲しながら、501®史上初となる、右後ろポケットにホワイトのバータックを施すことで、少しの違和感をプラスした。 また、サイズレンジも特徴のひとつで、レングスは28インチと30インチをベースにしているものの、ウエスト40インチと44インチはあえて26インチに。 オーバーサイズながらもジャストレングスに設定することで、501®のストレートシルエットにさらなる可能性を追求した。
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最新のテクノロジーを用い、世界最高峰の縫製技術とデザインで、アウトドアでのパフォーマンスを約束するチェコのブランド《ティラック》。 その魅力的なスペックはもちろん、タウンユースとしても秀逸なデザインに魅せられ、ジャーナルスタンダードでは2000年代初頭よりラインナップしているブランドである。 ティラックのセンターポジション的モデルであるストームジャケットをベースにした今回のエクスクルーシヴは、ゴアテックス3レイヤーファブリクスから、最上位のハードシェルであるゴアテックスプロに変更しさらなるエッジを効かせたほか、目の覚めるような鮮やかにカラーリングに別注。 こういったハイスペックなシェルを、テーラーメイドのジャケットやウールのオーバーパンツなどに合わせることで「SLOW TECH」なスタイルを表現したい。
KANATA × JOURNAL STANDARD
COWICHAN SWEATER
¥80,300in taxBUY
1979年に、カナダ・バンクーバー島の原住民によって作られたニットブランド《カナタ》。 誕生から現在にいたるまで、熟練のニッターによてオールハンドメイドされるバージンウールのローゲージニットは、ずっしりとした重量感としっかりとした温もりを味わことができる。 カウチンといえば《カナタ》と言われるように、カウチンニットの代名詞的存在で、ジャーナルスタンダードでは長きに渡りラインナップしているブランドのひとつ。 その完成されたカウチンニットの原型から、あえてアームホールのみを深めに変更することで、インナーとの干渉を軽減し、ナイロンシェルやジャケットの上から羽織ってもストレスなく着用可能なフォルムに。 また、ノルディック調のダイヤモンド柄に別注することで、ほどよくモダンなムードをプラス。
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世界で初めてゴアテックスをブーツに採用した、アウトドアブーツの老舗《ダナー》。その代表作であるMOUNTAIN LIGHTをベースに軽量化、さらにローカットにしたタウンユースモデル、MT.RIDGE LOWのジャーナルスタンダード別注モデル。 元々は表革であるアッパーを、英国の老舗タンナー、チャールズ・F・ステッド社のキメ細かく毛足の短いチャコールグレーのスエードにアップグレードしたほか、ライトウェイトでクッション性に優れる、ブラックのビブラムクリスティーソールを採用することで軽快な履き心地を実現した。 質実剛健なダナーのクオリティを活かしながら、全体をグレートーンに統一したことで、マウンテンブーツ特有のボリューム感を抑えたサイレントな佇まいに。 その、美しくも力強いフォルムは、冬のスタイルを一層盛り上げてくれるだろう。
1960年代にカウボーイに向けたダウンブランドとしてスタートした《ロッキーマウンテン フェザーベッド》。 アメリカンカジュアルシーンにおいて長きに渡り憧れの対象となる名作、クリスティジャケットは、アイコンである1枚革のウエスタンヨークや、ボアの襟をはじめ、唯一無二の存在感をみせてくれる。 こちらは、膨大な過去のアーカイヴを紐解き、表地やレザーヨーク、ドットボタンなどすべてのパーツを選定したジャーナルスタンダードのスペシャルエクスクルーシヴ。 サイズは42と、国内では最大となる46の2サイズ展開で、そのチョイスによってジャストフィットとルーズフィットを楽しむことができ、ダブルのジャケットやウールのコートなどとのレイヤードにも存分に対応する。 写真のブラウンのほか、カーキ、ブラックの全3色展開。
2018年より、少しずつアップデートしながら継続リリースしてきたジャーナルスタンダードのベストセラー。 その最新作は、オリジナルのラスカファブリックを新たに改良した素材「ラスカグラフェン」を使用した 。 グラフェンとは、熱伝導の高い機能性繊維のことで、コットンのような柔らかな肌触りながらも、軽量で耐寒性耐摩擦性に優れるハイスペック素材。 内部にはアウトドアブランドで重用されることの多い、保温性に優れる850フィルパワーのグースダウンを使用しており、袖の内リブやフード裏にスピンドルを配すなど、機能性とデザイン性も抜かりなく作り上げた。 保温性を追求するとどうしてもスマートさが失われてしまいがちなダウンも、素材の妙でミニマルかつ無骨な印象に。 カラーはグレーのほか、ブラック・ブラウン・カーキ・ブルーの全5色展開。
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NEW ERA® × JOURNAL STANDARD
Antinomy COLLECTIONS
¥8,800in taxBUY
MLBのオフィシャル選手用キャップとして有名な《ニューエラ》の6パネルの59FIFTYをベースに 、バイザーをカーブさせたLow Profile 59FITY。 ボディは、ポリエステルやウール素材が一般的であるが、こちらのジャーナルスタンダード別注はストリート感のあるそのシルエットはそのままに、上質なピュアカシミアに置き換えエレガントに編集 。 カジュアル感たっぷりなスポーツ物に、ラグジュアリーなカシミアを融合させることで、そのギャップの面白さと存分に冬らしさに加味した。 アメカジやストリート、そしてトラッド。 光の陰影によってその美しい素材感が際立ち、どんなスタイルにも違和感なく馴染む。 そして、自分のスタイルに自信を持たせてくれる。ニューエラに新たな可能性を付加した、スペシャルなエクスルーシヴ。
ジャーナル スタンダード/コンセプター 松尾忠尚 ジャーナル スタンダードで取り扱う“物”のコンセプトを取り決める舵取り役。まだ見ぬアイテムを生み出す探究心は趣味の登山でも活かされ、「見たことのない景色を眺めたい」と3000m級の山岳にも積極的に足を運ぶ。
ジャーナル スタンダード/ディレクター 原田良太 正統派のアメカジにちょっとした違和感を忍ばせる、ジャーナル スタンダードの美学ともいえる世界観を模索する日々。幼少期から湘南で暮らすだけありサーフィンがライフワークで、週に2回ほど日が沈む前に波乗りを楽しむ。
ジャーナル スタンダード/バイヤー 小林雄大 オリジナルの洋服と馴染むようなブランドに光を当てるバイイングに定評あり。第一子が誕生して育児に奮励する毎日。「爪切りが上手になったとはいえ、子育ては妻にはまだまだ及びません。やっぱり母は偉大ですね」。
ジャーナル スタンダード/バイヤー 平岡亮太 数々の店舗で店長を経験した後に今年6月からバイヤーに。 収集するインディアンジュエリーは好みのアーティストやデザインを重視しつつ、指や腕にフィットしたものだけを入手する一期一会の出会いを楽しんでいる。
ベイクルーズ/執行役員 栗原 潤 1997年に入社して商品管理からキャリアをスタート。バイヤーとして世界中を巡ったり、ディレクターとして様々なブランドを立ち上げたりと、あらゆる経歴を経て現職に。商品戦略を含めたメンズセクションの総指揮を執る。
ジャーナル スタンダード/デザイナー宮尾友規 宮尾友規 新卒で入社してウィメンズの商品企画に携わり、2018年からメンズのセクションに異動して現職に。映画鑑賞が趣味で、なかでもクリストファー・ノーランの作品が好み。「『インターステラー』は泣けるのでオススメです」。
ジャーナル スタンダード/クリエイティブプランナー 高山佑介 馬場氏が主宰するイベント“ROYALWARRANT SOCIETY”ではレギュラーとしてDJに参加。 音楽や映画の分野を中心としたコラボ企画を担当し、今季はコンピレーションCDの先駆け的存在「Free Soul」との共作モデルを製作。
ジャーナル スタンダード/デザイナー 小泉 誠 入社時から現在まで20年以上にわたってメンズの企画担当として活躍。ジャーナルスタンダードの根底にあるアメリカらしさを落とし込みつつ、レーベルの持つ天邪鬼なエッセンスを盛り込むオリジナルのデザインに尽力。