

9月15日、スタイリスト辻直子さんから着信があった。
何やらIENAと一緒に新しいコトを始めるらしく、
エディターである僕に
撮影して欲しいということだった。
カメラマンではない僕は、
もちろん仕事で写真を撮ったことがない。
辻さんとは2015年から今まで色々な仕事をしてきたけれど、
まさかこういうリクエストがくるとは思ってもみなかった。
ようやく秋めいてきた9月終わりのある日。
手持ちのカメラはCONTAX T3、フィルムの数は10本。
こうして〈n〉の撮影が始まった。
この特集では、辻さんの言葉と、撮影を通して感じた僕の男性視点のテキストも書かせてもらっている。
少し長くなってしまうけれど、『最後まで読んで欲しい。』

トレンドが変わっても、自分が好きなものは変わらない。でも、 “今”の気分は反映したい。やっぱり“今”が大事だから。





Tweed Mini Dress
「このワンピースは、IENAと2016年に作ったワンピースの進化版なんだよ」と、辻さんが教えてくれた。そして、今回のコラボレーションの中で最初に作ることを決めた、辻さんの思い入れが特に強い一着だということも。シックなツイードの生地をたっぷり使ったテントシルエットのワンピースは、どこから見てもドレープが綺麗だった。着丈はちょっと短いけれど、セクシーさを抑えた大人の女性らしいヘルシーな印象。でも着る人を選ぶのかな? と思ったら、「そのままワンピースとして着てもいいし、チュニック風に着てパンツを合わせるのもいい」と辻さんは言った。こう着て欲しいという答えを押し付けるのではなく、それを考えるプロセスの楽しさを知るスタイリストらしい素敵な発想だと思った。




Combination Dress
ポイントは、ストンと落ちるストレートでボクシーなシルエット、さらにスカートのウエスト部分が身体から少し浮いて見えるようにデザインされていること。もしコンサバティブに振り切るなら、身体にフィットするシルエットが王道なのかもしれないけれど、このワンピースは一味違う。シルエットとデザインが作るちょっとした違和感、それが辻さんの考える“予定調和”じゃない感じを表しているし、面白味を与えているのだと思う。また、袖を捲った時を想定し、カフスのボタンを3つから2つに変更。細部へのこだわりも流石だ。








Tweed Short Coat
アスコットシャツのように襟のリボンとコートが一体化したデザインが目を引くツイードのコート。顔まわりを華やかにしてくれる大きなリボンは、結んだら素敵なのは言うまでもなく、前を開けて緩く結んでも、無造作に垂らしているだけでも様になる。撮影中に辻さんの着こなしを見ていても、リボンのあしらい方ひとつでかなり楽しめる作りになっているのが伝わってきた。そして、もうひとつ辻さんがこだわっているのは着丈だとか。同生地のワンピースと合わせた時に、コートの裾から出る生地の分量や見え方を特に意識し、絶妙なレングスに仕上げているという。撮影したルックをもう一度見てみると、セットアップはもちろん、様々な着回しにも応用できる万能なシルエットであることがわかる。





Bag
正直なところ、辻さんにカゴバッグのイメージはなかった。辻さんはいつもスタイリッシュで素敵なバッグを持っていたし、カゴバッグは対局にあるアイテムだと勝手に思っていたからだ。でも、それは間違いだった。フランスの籠ファクトリーに別注したバッグは、辻さんがサイズ感にこだわってオーダーしたもので、コーディネートに意外性をもたらすいいアクセントになっていた。その要因は、トレンドに関係なく、自分が好きなものを素直にコーディネートに取り入れる、そんな自然体の辻さんの芯の強さだと思う。現像したラストカットを見て、改めてそう感じた。
Bag【VANNERIE DE VILLAINES】¥36,300
(こちらは参考商品のため、実際は蓋なしのデザインです。サイズもやや小さくなります)
正直なところ、辻さんにカゴバッグのイメージはなかった。辻さんはいつもスタイリッシュで素敵なバッグを持っていたし、カゴバッグは対局にあるアイテムだと勝手に思っていたからだ。でも、それは間違いだった。フランスの籠ファクトリーに別注したバッグは、辻さんがサイズ感にこだわってオーダーしたもので、コーディネートに意外性をもたらすいいアクセントになっていた。その要因は、トレンドに関係なく、自分が好きなものを素直にコーディネートに取り入れる、そんな自然体の辻さんの芯の強さだと思う。現像したラストカットを見て、改めてそう感じた。
Bag【VANNERIE DE VILLAINES】¥36,300
(こちらは参考商品のため、実際は蓋なしのデザインです。サイズもやや小さくなります)

Socks
性別問わず、素敵なソックスを履いている人はお洒落だと思う。逆を言えば、ソックスがイマイチだと台無しになってしまう可能性がある。辻さんが選ぶ決め手は、素材だという。ハイブランドのアイテムも数多く手がけるイタリアの高級ソックスブランド、BRESCIANIで選んだのも、カシミアを贅沢に使ったカシミアシルクのニーハイソックス。すべて自社工場で製造されるソックスは、一足仕上げるまでに12回ものクオリティチェックを行う徹底的ぶりで、足を綺麗に見せるリブ感や透け感の程よいバランスも絶妙で気が利いている。やはり、素材のいいソックスはシックな女性によく似合う。
Socks【BRESCIANI】¥20,900
性別問わず、素敵なソックスを履いている人はお洒落だと思う。逆を言えば、ソックスがイマイチだと台無しになってしまう可能性がある。辻さんが選ぶ決め手は、素材だという。ハイブランドのアイテムも数多く手がけるイタリアの高級ソックスブランド、BRESCIANIで選んだのも、カシミアを贅沢に使ったカシミアシルクのニーハイソックス。すべて自社工場で製造されるソックスは、一足仕上げるまでに12回ものクオリティチェックを行う徹底的ぶりで、足を綺麗に見せるリブ感や透け感の程よいバランスも絶妙で気が利いている。やはり、素材のいいソックスはシックな女性によく似合う。
Socks【BRESCIANI】¥20,900

Cloche Hat
ボーラーハットを彷彿とさせるクラシカルな佇まいなのに、見覚えのない独特なデザイン。それがこのハットの第一印象だった。その疑問を辻さんに尋ねてみると、今回のコレクションのためにオートクチュールの帽子を手がけるHaute Mode Hirataにオーダーしたという。しかも、辻さんのイメージスケッチを元にイチから型を作り、クラウンの高さやブリム幅を何度も調整した、こだわりのハットなのだ。上質な素材と、上品なカラーリングで仕上げたハットは、ファーのありとなしの2型展開。シックな女性に相応しいエレガントさを纏った、正真正銘の逸品だと思う。
Hat(Black)【AkioHirata OHKO】¥90,200
Hat(Brown)【AkioHirata OHKO】¥67,100
ボーラーハットを彷彿とさせるクラシカルな佇まいなのに、見覚えのない独特なデザイン。それがこのハットの第一印象だった。その疑問を辻さんに尋ねてみると、今回のコレクションのためにオートクチュールの帽子を手がけるHaute Mode Hirataにオーダーしたという。しかも、辻さんのイメージスケッチを元にイチから型を作り、クラウンの高さやブリム幅を何度も調整した、こだわりのハットなのだ。上質な素材と、上品なカラーリングで仕上げたハットは、ファーのありとなしの2型展開。シックな女性に相応しいエレガントさを纏った、正真正銘の逸品だと思う。
Hat(Black)【AkioHirata OHKO】¥90,200
Hat(Brown)【AkioHirata OHKO】¥67,100
辻直子 / スタイリスト
さまざまなファッション誌や広告などで幅広く活躍する人気スタイリスト。独自のセンスとスタイリングにファンが多く、女優やブランドからのラブコールも絶えない。
Instagram : @naoko.ts
DIRECTION/STYLING/MODEL : Naoko Tsuji
PHOTOGRAPHY/WRITING : Masato Shinmura
MAKE-UP : Aiko Ono
HAIR : Miki Sayuda
ILLUSTRATION : Yuko Saeki
WEB DEVELOPMENT : Takuro Irisawa
(掲載のない着用アイテムは全て辻󠄀さん私物です)